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原作(Original Story): にいさとる(Satoru Nii)![]() WIND BREAKER 第203話ネタバレ | |||
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ウィンドブレイカー 第203話 | |||
| サブタイトル | 原点 | ||
| 配信日 | 2025年12月31日 | ||
| 掲載サイト | マガジンポケット | ||
| 単行本 | 25巻 | ||
| 登場人物 | 桜遥 楓川栄 | ||
第203話 原点桜遥「夜の方が好きだった。誰かと関わる必要もなく、冷たい目を向けられることも、何かを言われる心配もないから。なにより、闇に紛れてこの髪もこの目もたいして気にならなくなる。自分の輪郭が解けて、どこから自分でどこから世界かわからなくなるように…悲しいとか寂しいとかの感情も闇に馴染む気がして少しだけ楽になるから。だからこそ、差し込む朝日(ひかり)が憎らしかった。色々なものの輪郭がはっきりしてしまうから。寂しい、悲しいという感情が誤魔化せなくなるから。でもいつか…いつかオレにも昼も夜も関係なく、オレがオレでいて、それを受け入れてくれる場所があるかもしれない。その時期だけがオレの支えだった」 桜の父《人殺し》 桜遥「そうではなかった。この世界にオレをオレのまま受け入れてくれる場所なんてないんだと、初めて会った親父の言葉で思い知った、預け先の当てがなくなり、親父はオレを施設に入れるために来た。ただそのためだけに来た親父の車を見送りながら思った。早く早く夜になってこの感情の輪郭を解いて闇に紛れなければ…誤魔化さなければ…オレは…」 楓川栄「悪りぃ…続けてくれ」 桜遥「…そのあと施設に入ってからも転校した学校でもあまり生活は変わらなかったけど、オレの中で生まれた感情はあった。怒りだった。ある日、学校でいつものようにちょっかいかけられて殴られた時、初めてキレた。殴ってきたそいつらにと言うより今までの全てに…我に返った時、倒れてるヤツを見てオレに適正があるとわかった」 桜遥「そしてそこから誰もオレに手を出すことはなくなった。一人なことは変わらなかったが、不快を押し付けてくるヤツがいないことがこんなにも快適なのかと思った。“これ”かもしれないって気がした。力があればこれ以上苦しまなくて済むかもしれない。いや、それだけじゃない。“これ”にナリもなにも関係ない。強いヤツが最後まで立って自分を証明できる。そうだ…誰よりも強くなるんだ。そうすれば…どんなに苦しくてもこの世界を生きていける。そうだ…オレは一人だ…だからせめてオレだけでもオレを認めてやるんだ。だからオレは風鈴に来た。落ちこぼれの吹き溜まりって噂を聞いてな。実際は全然違ったけどよ…でもここで、この街でとっくに諦めてた場所を見つけた。ここのヤツらがくれたんだ」 桜遥「だからオレはここにいたい…ここにいるんだ。お前が外のヤツを嫌いなのはわかった。理由も理解できる。でもな、オレにも理由がある。お前が出てけって言ってもてこでも動かねーぞ、オレぁ」 | |||
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