薬屋のひとりごと | 第98話『飲み比べ』ネタバレ | サンデーGX最新話

KUSURIYA
薬屋のひとりごと 漫画 サンデー 98話 ネタバレ 感想 壬氏 猫猫 The Apothecary Diaries Chapter 98
『薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜』第98話「飲み比べ」は、前話「紙の村」から続く製紙業と土地問題を描く回である。壬氏の地方視察の真意、米の出荷量異変、契約無効の理屈、そして猫猫の“酒”への違和感が交錯する。物語は政治と経済の核心へ踏み込む。
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薬屋のひとりごと 第98話

原作日向夏
作画倉田三ノ路
サブタイトル飲み比べ
サンデーGX2026年3月号
配信日2026年2月19日
登場人物猫猫(マオマオ)
壬氏(ジンシ)
虞淵(グエン)
馬閃(バセン)

第98話 飲み比べ


あらすじ

夜、猫猫の部屋を訪れた壬氏は、変装用の火傷の化粧を落とし、また再現してほしいと依頼する。その会話の中で、今回の旅の本当の目的が「増税の反応確認」と「米の出荷量異常の調査」であることが明かされる。
翌日、やぶ医者・虞淵の妹一家と地主の息子の話し合いに同席。地主側は借金の一括返済、あるいは紙の製法の開示を要求し、契約書の無効を主張する。場の空気が険悪になる中、猫猫は酒の違和感に気づき、「飲み比べ」を提案する。

概要

本話は「化粧」と「酒」という二つの擬装が対比される構成になっている。壬氏は顔に火傷を作り別人を装い、地主の息子は契約無効を盾に正当性を装う。その裏で猫猫は、酒の種類・流通・度数に違和感を抱く。
製紙業保護政策、識字率問題、契約能力の否定、そして米の出荷量異常という伏線が明示され、物語は経済ミステリーへと進む。

本文:第98話ネタバレ

1.壬氏が猫猫を訪ねた理由|火傷の化粧の再現

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夜、閉め切った猫猫の部屋に壬氏が一人で訪れる。
目的は、右頬に施している火傷の化粧を落とし、再度同じものを作らせることだった。
この火傷は変装用であり、従者に見せるための擬装である。
落とせば翌日も同じ精度で再現しなければならない。
猫猫は材料を観察し、赤い燃料と糊で皮膚を引きつらせ、その上から白粉を叩いて質感を出していると推測する。
壬氏は今回の訪問地が「通過点」に過ぎないと語る。
本来の目的地はさらに先にあり、帰還まで長期間を要することが示唆される。

2.壬氏の本当の目的|増税と米の出荷量異常

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壬氏は、今回の地方視察の狙いを明かす。
  • 増税に対する民の反応を見ること
  • 製紙業保護政策の影響確認
  • この半年間の米の出荷量の異常調査
米の出荷量の異変は、猫猫の従兄・羅半が算盤で気づいたものだという。
数字上、明らかに帳尻が合わない。
製紙業は今後国として力を入れる分野であり、熟練職人が追い出され素人に置き換わることは避けたい。
壬氏は政策と現場の乖離を自覚している。

3.地主の息子の要求|借金と製法開示

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翌日、虞淵の妹一家と地主の息子の話し合いが行われる。
地主側の主張は二択である。
  1. 残りの借金を一括返済
  2. 来年までに紙の製法を教える
借金残額は銀四千五百。
年間銀千枚の支払い契約で、今年分の半分を支払った状態である。
これは他所で借金を重ねて解決できる額ではない。

4.契約無効の理屈|識字率問題の露呈

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妹の旦那は、先代地主と交わした契約書の存在を主張する。
紙質も良く、印も押され、二十年で完済と明記されている。
しかし地主の息子は無効を宣言する。
その論理は次の通り。
  • 契約書は代筆屋が作成
  • 父は字が読めなかった
  • 契約時には母が死亡
  • 内容理解を証明できない
つまり「契約能力の否定」である。
識字率の低さが法的正当性を崩す構図が露呈する。
紙の普及政策が必要とされる理由がここにある。

5.酒の違和感|流通と種類の不自然さ

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話し合いの場は酒屋でもある。
猫猫は観察する。
  • 主流は濁り酒
  • 地主は蒸留酒
  • 小作人にも清酒
  • 地元に酒造はない
さらに、味はまろやかだがアルコール度数が高い。
地元に酒造がないのに清酒や蒸留酒があるのは不自然である。
流通経路、原料、供給量のいずれかに異常がある可能性が高い。
ここで猫猫は、米の出荷量異常と酒の存在を結びつけ始める。
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6.飲み比べの提案|価値と挑発

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猫猫は地主の息子に飲み比べを提案する。
賭けの対象として自分を銀三百と提示する。
地主側は嘲笑するが、猫猫は「加工と流通で価値は変わる」と例え話で返す。
さらに識字能力を侮辱し、紙製造の難しさを突きつける。
場が荒れかけた瞬間、壬氏が大量の銀を提示し、猫猫の価値を裏付ける。
これにより、主導権は地主側から猫猫側へ移る。
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7.猫猫は何に気づいたのか|酒と米の関係

猫猫が違和感を抱いた要素は以下である。
  • 地元に酒造がない
  • 清酒と蒸留酒の存在
  • アルコール度数の高さ
  • 米の出荷量異常
酒造には大量の米が必要である。
もし隠れた酒造や不正流通があるなら、出荷量に影響が出る。
増税で穀物を集める政策の裏で、どこかで米が消えている可能性がある。
飲み比べは単なる挑発ではなく、酒の質と酔い方を確認するための調査である可能性が高い。

まとめ

第98話「飲み比べ」は、政治と経済、そして猫猫の観察眼が交差する回であった。
本話の要点は以下である。
  • 壬氏の目的は増税反応と米の出荷量異常調査
  • 製紙業保護と識字政策の必要性
  • 契約無効の理屈は識字率問題に起因
  • 地元にないはずの酒が流通している
  • 飲み比べは酒の異常を確かめるための布石
猫猫が見抜いたのは、単なる地主の横暴ではなく、米と酒に潜む構造的な歪みである可能性が高い。
物語は次号へ続く。
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