葬送のフリーレン | 第147話『英雄のいない地』ネタバレ(最新話) | 次号より休載

FRIEREN
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 147話 ネタバレ 感想 センターカラー 影なる戦士 レーヴェ ヘルト 過去 FRIEREN Chapter 147
葬送のフリーレン 第147話ネタバレ
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葬送のフリーレン 第147話

サブタイトル英雄のいない地
配信日2025年10月15日
サンデー2025年46号
単行本15巻
あらすじ帝都を照らす光、そして色濃く伸びる影。物語は影なる戦士の過去を映し出す。

帝国編 登場人物

フリーレン一行

大陸魔法協会

魔導特務隊

影なる戦士

フリーレン
フェルン
シュタルク
ザイン
ゼーリエ
ゼンゼ
ファルシュ
ユーベル
ラント
リネアール
フラーゼ
カノーネ
ノイ
ヴェーク
ラーガー
グラウ
レーヴェ(ヘルト)
爺(レーラー)
クレマティス
ヴァルロス
シュリット
ヴォルフ
ロレ
ガゼレ
イーリス
ルティーネ
クライス

第147話 英雄のいない地

『ゼーリエ暗殺計画は星図のように描かれる』
「レーヴェ閣下」
レーヴェ「わかっている。計画は順調に進んでいる。だがここは驚くほど静かだな」
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「宵の明星を見ておられるのですか」
レーヴェ「ああ。南側諸国(こきょう)を思い出す。昔は共に、よく夜空を見上げた」
「…ヘルト、君が何もかも背負う必要はない。私は力及ばずな師であったが」
レーヴェ「そんなことはない。それとその名で呼ぶな」
「…わかっているのか?最後になるかもしれない」
レーヴェ「最後だからこそだ。俺はロベルーア領総督の“レーヴェ”で、お前はその使用人の“爺”だ。俺達の素性が、その偉業が、歴史に残ることはない。いや、これから起こるのは、偉業ですらないな。人類も魔族も平等に、魔力を失い、この世界から魔法が無くなる。神話の時代に書き換えられた世界の法則が、元の形に戻るんだ。ただ、それだけのことだ」
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『レーヴェ(ヘルト)の過去』

『俺の人生が変わる瞬間には、必ず魔法が関わっている。一度目の魔法は、物心が付いたばかりの頃だ。兄が流れ弾から俺を庇って死んだ。空から降り注いだ光の矢の内のたった一本が、兄の命をあっさり奪った。俺の生まれた南側諸国は、魔族の勢力圏である大陸北部から遠く離れている代わりに、人類同士で争っているいかれた場所だった。魔法は人を殺すための道具で、市街戦の巻き添えなんて珍しいことじゃない。何処にでもあるありふれた不幸。それ程までにいかれていた。二度目の魔法は、今でも目に焼き付いて離れない。俺の町はたった一晩で消え去った。残ったものは瓦礫の山だけで、両親の死体すらも残らなかった。いや大人達の口調では、実際には死体が見つかっているようだった。だが原型を留めていないそれを、子供に見せられるはずもない。それよりも衝撃だったのは、この地獄のような惨状でさえ、“巻き添え”であったということらしい。南側諸国の戦争で使われている魔法は、最早人類の制御下に置かれているとは言えなかった。俺はただ目的もなく呆然と立ち尽くしていた。何時間、何日、それすらもわからない。何度か話しかけられ、連れ出そうとしてくれたことも覚えている。それでも俺は頑なに動かなかった。大人達も引き上げ、辺りが静寂に包まれた頃、切っ掛けはなんだったか覚えていない。ふと視線を上げたとき、倒れている勇者ヒンメルの像が目に入った』
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『そのとき俺はいつも両親に聞かされていた、勇者ヒンメルの英雄譚を思い出した。子供の頃は誰もが憧れる偉大な勇者だ。俺もそうなりたかった。気付けば俺は必死にその像を起こそうとしていた。無駄な行為だってことはわかっている。それでもその像は、世界に平和を齎したこの勇者は、こんな所で倒れていていいものじゃないんだ。本当に無駄な行為だ。これで何かが変わる訳じゃない。それでも英雄譚に出てきた勇者ヒンメルなら、こんな所で呆然と立ち尽くすなんてことはしない』
爺(レーラー)《私も手伝おう》
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『後の師となる男だった。こんなものは偶然に過ぎない。それでもこの偉大な勇者の像が、俺達を巡り合わせたのだ』
レーラー《君も勇者ヒンメルが好きなのかい?私も彼に憧れてこの国を守る戦士になった。間に合わなくてすまない。許してくれとは言わない。私を恨め》
ヘルト(レーヴェ)《おじさんは遠い場所で、他の人達を守るために必死に戦ってたんでしょ。何も悪くないよ》
レーラー《…子供がそんなこと言っちゃいけない》
ヘルト《父さんの友達でしょ。おじさんのこと、何回か見たことあるよ。だから辛いのも、助けたかったのも、悔しいのも、全部同じだ》
レーラー《…だから子供がそんなこと、言っちゃいけない》
『男の名はレーラー。あとになって知ったが、彼はこの国最強の戦士だった。幾多の戦場を渡り歩き、百戦百勝と謳われるほどの戦果を持っていた。本当に皮肉でしかない。戦乱の絶えない南側諸国では、“その場にいない”たったそれだけの理由で百戦百勝の戦士が負けるのだ。どれ程、個の力が強かろうが、一人は一人でしかない。だがそれでもこの男の目には、何かを諦めきれないような、確かな熱意があった』
レーラー《南側諸国は地獄だな。こうして必死に戦っていれば、いつか誰かが、英雄のような誰かが現れで、南側諸国に平和を齎してくれると信じていた。だが、誰かじゃ駄目なんだな。そんなものは現れなかった。平和を願う私自身がそれを成し遂げなければならない。勇者ヒンメルならきっとそうする》
『今思えばこの像が、決して諦めることのなかった勇者の英雄譚が、彼に熱意を思い出させたのだろう』
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『次回、三度目の“魔法”』

第148話 次号より休載

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