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原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路![]() 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第93話 | |||
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薬屋のひとりごと 第93話 | |||
サブタイトル | 白蛇仙女 | ||
サンデーGX | 2025年10月号 | ||
配信日 | 2025年9月19日 | ||
登場人物 | 猫猫(マオマオ) 羅半(ラハン) 陸孫(リクソン) やり手婆 梅梅(メイメイ) 女華(ジョカ) 梓琳(ズーリン) 右叫(ウキョウ) 白娘々(パイニャンニャン) | ||
あらすじ | 都で流行る見世物は、"仙術使い"との噂…! 仙女が出るという見世物の人気のせいで商売あがったりの緑青館。そんな見世物に行こうと猫猫を誘ってきたのは…? | ||
第93話 白蛇仙女『新展開!都で噂の仙女とは…?』 『都に、緑青館の三姫より珍しい“仙女”がいるそうな』 梅梅「どうりで最近お客が少ないと思ったわよ」 女華「お偉い方々は珍しいもの好きだからねえ。どうせ私たちは鼻につくお年頃ですよ~昔は宝玉を愛でるように扱ってたってのに」 猫猫「女華姐、準備できたよ」 女華「悪いね、毎月。あたしも猫猫も女の道が重いからさ」 猫猫「灸で楽になるならこのくらいは」 梅梅「見た人の話だとさあ。真っ白な髪をしてるんだってね。それだけじゃなくて、目が真っ赤だそうだよ」 猫猫「(髪が白く目が真っ赤。それは珍しい) 髪はともかく目も赤いなら白子かね」 白鈴「そうなんだろうね」 梓琳「?」 梅梅「ああ、梓琳(ズーリン)は知らないかい白子。まあ最近まで貧民街で床に臥せっていたから知らんよな」 猫猫「人には稀だが、生まれつき色を持たない子どもがいる。そいつらは髪も肌も白くて、目は血が透けて赤く見えるんだ。そいつを白子(アルビノ)っていう。動物でも白い蛇や狐がいたりするだろ。遠い異国では白い肌の子は万能薬になると信じられていて、食らう風習もあるそうだけど、そんなのは眉唾だ。色が欠けているだけで何も変わらないよ (…とおやじが言ってた)」 女華「それがどうしたの」 梅梅「“仙女”だって噂でさぁ」 猫猫「(へー凶兆ではなく吉兆とみられているのか)」 女華「でもお偉いさんも飽きてくるでしょうに」 梅梅「それがさあ、本当に仙術を使うって話だよ」 『その仙女が使うのは人の心を読み、金を生み出す力だという。うさんくさい話だが、物好きなお大尽たちの食いつきはいい。小さな見世物小屋でやっていたものが、今では都の劇場を借りているという』 やり手婆「ったく、商売の邪魔ったらないよ!夜の間一度しかやらない見世物に客取られて、久しぶりに来たかと思ったら、その仙女とやらを褒めそやして…お前たちも悔しいだろ!」 猫猫「見世物なら一度見れば十分だろうに」 右叫「そうでもないぞ。錬丹術って知ってるだろ」 『緑青館 男衆 右叫(ウキョウ)』 猫猫「うん。不老不死の仙人になる薬を作るってやつだろ。おやじにも聞いたことがある」 右叫「何て言われた?」 猫猫「“あれは、真似するんじゃないよ”って。それだけ怪しい術ってこと。みんな不老不死目当てなのか」 右叫「まあね。加えて珍しい容姿、人の心を読む。そりゃ不老不死もあり得るかも…て思うんじゃないか?」 猫猫「(んな阿保なことがあってたまるか。不老不死の薬を研究し、蘇りの薬を作った者ならいる。医官として優秀だっただろうに、今はその面影もないらしい。その人の知識があれば、蝗害の対策に力になったかもしれないのに。壬氏さまたちは今後起こり得る災害に頭を悩ませているというのに、お偉いさんの中には仙女と錬丹術に夢中になっているのんきなお方もいるってことか) その仙女が不老不死の薬をネタに客を集めてるのか?」 右叫「そこまでは知らねえよ。気になるなら行ってみたらどうだ」 猫猫「どうせ見るにも高い見物料取るだろ。払えねえよ」 右叫「なら頼み込めばいいじゃねえか」 猫猫「(こんな話に乗ってくれる暇人がいるか)」 右叫「予想と違うのが来たなあ」 猫猫「よりによってそっち方面かあ」 羅半「失礼だな」 『羅漢の養子・羅半(ラハン)』 猫猫「まさか見世物に誘ってくるとは。興味があったんだ」 羅半「僕だってみんなが興味をそそられるものが気にならないわけじゃない。その白子というのがかなりの美人だというじゃないか」 猫猫「美しいものに目がないのは相変わらずだな」 羅半「そりゃそうさ。美しいものは美しい数字をしているからね。義父上なら来てないよ」 猫猫「私をだしにあの変人のご機嫌取りをするつもりかと」 羅半「まさか。僕は義父上に才を認められているからね。実の娘を使って媚を得る必要がないんだ。お前こそ少しはお義兄さんをうやまったらどうだ」 猫猫「嫌だ」 羅半「まあ義父上の部下は来てるよ」 陸孫「軍師殿の部下で、陸孫(リクソン)と申します」 猫猫「猫猫です」 陸孫「存じ上げております」 羅半「義父上は屋敷からしばらく動かないだろうよ」 猫猫「…ふうん (ついに、容体が悪くなったかな。身請けした妓女の。…ま、そこは私が詮索するところじゃないな。今は) それで、私を誘った理由は?」 羅半「今度、西方との取引があってね、出し物にその一団を誘おうかと思ってるんだ。向こうの来賓には女性もいるから、その視点の意見も…」 猫猫「嘘つけ」 陸孫「実は…軍師殿が一団について、“気になるな”と。その言葉が気になって調べたところ、ある噂を聞きつけまして…」 『劇場』 「白娘々(パイニャンニャン)をご覧になる方はこちら!」 猫猫「(白娘々(パイニャンニャン)ねえ。一介の旅芸人には大それた名前だ)」 羅半「ほれ」 猫猫「何これ」 羅半「その手の俗なものをみるなら、互いに知らんふり出来る方がいいのさ」 猫猫「(ふうん。入場料は高いけど…これでずっとこの劇場を借りられるものなのか。出資者(スポンサー)がついてるな)」 羅半「中央の席は人気だった。無駄に席料をはねあげて、僕たち三人に加えて、護衛含めたら足りなかった」 陸孫「いや、もっと後ろでも大丈夫でしたよ。他の客がよく見えますから」 猫猫「(確かに。中央の辺りは成金らしいやつが多いな。花街ででかい顔してる交易商もいる。酒と焼き菓子?妙な組み合わせだな)」 羅半「酒だぞ。飲まないのか?」 猫猫「酔う前に白娘々の術とやらを見たい。毒味が必要?」 羅半「いや、僕はどうせ弱いからね」 猫猫「飲まれては?」 陸孫「いえ、私一人失態を見せてはなりませんので」 猫猫「(気にすることないのに。護衛は当然飲まないし…ま、毒味はいいか)」 「来るぞ」 「白娘々(パイニャンニャン)だ!」 『鬼が出るか、蛇が出るか…次回、10月18日頃発売の11月号につづく』 | |||
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