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原作(Original Story): 日向夏×倉田三ノ路![]() 薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜第95話ネタバレ | |||
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薬屋のひとりごと 第95話 | |||
| サブタイトル | 仙術の正体 | ||
| サンデーGX | 2025年12月号 | ||
| 配信日 | 2025年11月19日 | ||
| 登場人物 | 猫猫(マオマオ) 羅半(ラハン) 陸孫(リクソン) 白娘々(パイニャンニャン) | ||
第95話 仙術の正体『都で噂の見世物一座に羅半と訪れた猫猫。銅や銀を金に変え、人の心を見透かす“仙術”の正体とは…』 羅半「さっきの“仙術が分かった”というのはどういうことだ?」 猫猫「(緑青館に戻ってからと思ってたけど) じゃ、そこで話す」 店員「いらっしゃい」 猫猫「えっと…このおすすめ料理と、この酒を」 羅半「おい、遠慮というものを知らんのか」 猫猫「今すぐ知りたいんだろ。高給取りが何をいうか」 羅半「うちは昨年、高い買い物をしたんだ。火の車だぞ」 猫猫「(ああ…妓女の身請けに相当な金を積んだようだからなぁ) まず、銅を銀や金に変えた方法だけど、あれは黄白(こうはく)術というものによく似てる」 陸孫「錬丹術のようなものですか」 猫猫「そうですね。黄白術は金属を変化させるものを言います。でもそれよりは、西方の錬金術(あるけみぃ)というものに近い気がします」 羅半「錬金術?」 猫猫「私はおやじの話を聞いただけで見るのは初めてだ。あれは銅が銀や金になったわけじゃない。周りを鍍金(めっき)して、火であぶることで見た目を変化させたに過ぎない。私も試したかったんだけど、おやじが材料を教えてくれなくて…」 羅半「鍍金?」 猫猫「金属の周りに違う金属の膜を張るんだ。見た目は変わるが、本質が変わるわけじゃない。膜が剝がれればただの銅だ。でも知らなければ銅そのものが変化したと思うだろうな。詳しく知りたければおやじに尋ねてみろ。ついでにそれを私に教えて頂けると嬉しい。てかそうしろ」 羅半「それが本音か」 猫猫「石を乗せた紙が燃えたのも、鍍金の過程で出る副産物を利用すれば出来る」 陸孫「蝶が飛び出して燃えたのは?」 猫猫「上質のごく薄い紙で作られたものだと思います。東方の奇術で似たようなものがあったはずです。劇場内は薄暗く靄がかかり、かつ混ざりものの入った酒で酔っていた。気付く者は少ないでしょう」 羅半「では、お前が心を読まれたのは?紙に書いた数字も、その紙を詰めた筒の位置も当てたじゃないか」 猫猫「ちょうどいいや、紙」 羅半「偉そうだな、お前」 猫猫「…何を書いたか見える?」 羅半「落書きだな。濡れた箇所が縮んでる」 猫猫「そんな細かいとこはどうでもいい」 羅半「義兄さまを敬えよ」 猫猫「はっきり見るには…」 陸孫「あっ…」 羅半「あぶり出しか!」 羅半「それが心を読む術とどう…うっ」 猫猫「どうだ?」 羅半「どうって…海鮮の出汁だ。少ししょっぱい」 猫猫「つまり塩が入ってる (どうりであの墨、妙にざらざらして書きにくかったわけだ)」 羅半「しかしあぶり出して見ている様子はなかったぞ」 陸孫「ええ、そもそも数字を書いた後、紙を見ていなかったはず」 猫猫「あの時、紙の下に黒い下敷きが敷いてありました。紙は薄く、柔らかいからにじみ出た墨は黒い下敷きに染み込む。下敷きが乾けば、墨に溶けていた塩が乾燥して浮き出てくる」 陸孫「なるほど…白娘々は紙ではなく、下敷きを見て数字を当てていたんですね」 羅半「では、紙を入れた筒を当てたのは?」 猫猫「あれは…笛の構造は知ってる?」 羅半「息を吹いて音を出すんだろ」 猫猫「音の高さを変えるには?」 羅半「息が出ていく穴の数を変える。そのくらいのことは…」 猫猫「じゃあ分かるだろ。箱の中の筒が笛の穴の役割をしているんだ」 陸孫「笛…?」 羅半「でも劇場内で笛の音なんてしてなかったぞ。いや、銅鑼(どら)や鈴の音で消されてたのかもしれないが…」 猫猫「私は、あの場にいて、とても頭が痛くなった。おそらく、気付かないくらい高い音域の音が鳴っていたんだと思う」 陸孫「高い音?」 猫猫「ええ、例えば…ピーッ…これは聞こえますか」 陸孫「ええ」 羅半「聞こえるぞ」 猫猫「では、これは?~~…」 「………?」 猫猫「あなたには聞こえましたか」 「いや」 猫猫「でしょうね。高い音は齢を重ねるごとに聞こえにくくなるものですから。人間それぞれ聞こえる音の高さが違う。それは同じ年代であっても差はあるし、十人が十人そうとは言い切れないけど、目が悪いものはそれを補うように耳がいいことがある。さっき、笛の構造は指で押さえる穴の箇所や数によって音が変わると言っていたでしょう」 陸孫「ええ」 猫猫「あの箱には10×10で筒が差さっていました。一列ずつ区切って空気を送って音を鳴らせば、詰まった紙が穴を押さえる指の役割を果たして音の高さが変わる。銅鑼と鈴の音を合図にして十回箱から音を出し、音の高さの違いで何番目に紙を入れたか分かる。このやり方なら、十の音を覚えられれば出来るはずです」 羅半「ふむ…しかし音を出すには空気を送る必要があるんだろう?それはどこから送っていたんだ」 猫猫「あの時、ずっと箱の近くに男がいた。その男が空気を入れる箇所を操作していたら…音を鳴らすための空気は、あの靄」 猫猫「靄は湯気、どこかで湯を沸かして作ったとする。その蒸気を机の下から箱に入れるようにすれば…皆、箱そのものや白娘々に気を取られて机の下まで注目してなかったはずだ。これが仙術の正体だ」 陸孫「なるほど。それなら説明がつきますね」 猫猫「あ、そうだ。最後に白娘々が飲んでいた銀色の液体…あれは猛毒だ。誰も真似しないよう高官たちに説明した方がいい」 羅半「分かった」 『数日後、白娘々の一座は、跡形もなく姿を消してしまった。代わりに残ったのは、都の商人たちの謎の食中毒事件だった。彼女たちは一体何がしたかったのだろうか』 羅半「分からんな。なんで白娘々は最後に猛毒を飲んだんだ」 猫猫「本当に飲んだのか、何か仕掛けがあって実際は飲んでないのか、それは分からないけど。その昔、時の権力者はこぞって不老不死の薬を求めた。その際、水のような銀を服薬した。それが逆に命を縮めるとも知らずに。あれは水銀という。液体のまま体内に排出されれば問題ないが、蒸気となったものを吸ったり、他のものとくっついて形を変えれば猛毒となる」 羅半「毒か…」 猫猫「でも、薬としても使われる。毒と薬は紙一重。使い方次第だ」 『白蛇のような仙女は、謎だけ残して消え去った。次号、猫猫に壬氏から文が届いて…新章突入』 | |||
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