葬送のフリーレン | 第9巻86話『話し合い』ネタバレ | FRIEREN

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原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 86話 扉絵 フリーレン フェルン シュタルク デンケン FRIEREN Chapter 86
葬送のフリーレン 第86話ネタバレ
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葬送のフリーレン 第86話

サブタイトル話し合い
配信日2022年3月16日
サンデー2022年16号
扉絵フリーレンフェルンシュタルクデンケン
単行本9巻
登場人物フリーレン
フェルン
シュタルク
デンケン
マハト

第86話 話し合い

フリーレン「マハトと話し合いをしているってどういうこと?」
デンケン「この地域一帯はヴァイゼ領主であるグリュック家の所領だった。儂の村もそうだ。儂は数少ないヴァイゼの民なんだ」
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フリーレン「そういえば支配の石環に施された命令は二つあったね。ヴァイゼの民に“仕える”ことと、ヴァイゼの民に“悪意”を抱いてはいけないこと」
フェルン「“悪意”は意味が無くとも、“仕える”という命令は有効かもしれないということですね。だからデンケン様は黄金郷に入っても無事だった。もしかしてマハトは、デンケン様の命令なら聞くということでしょうか?」
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シュタルク「そのための話し合いってことか?」
デンケン「……」
フリーレン「そこまで都合のいい状況ではないんでしょ。それだったらデンケンが一言マハトに“死ね”と命令するだけですべて丸く収まるはずだ」
デンケン「…その通りだ。儂に対して危害を加えることはないが、強制力のある命令はほとんど受け付けない。魔族は元々社会性の無い生物だ。“仕える”という概念すら曖昧なのかもしれん」
フリーレン「そんな状況だとわかっていてなんで話し合いなんて馬鹿な真似を続けているの?マハトが理解する“仕える”の概念によってはいつデンケンが殺されてもおかしくない」
デンケン「だからこそ藁にもすがる思いなんだ。儂の目的は黄金郷を元に戻すことだ。マハトを倒すことはもちろんだが、それで黄金郷が元に戻らなければ意味がない」
フリーレン「…なるほどそういうことか。厄介だね」
シュタルク「どういうことだ?マハトを倒せば黄金郷は元に戻るんじゃないのか?」
フリーレン「術者の死後、その魔法がどうなるかは魔法の特性によるんだ。術者が死ねば効力を失う魔法もあるが、残り続ける魔法もある。代表的なものだと結界魔法だね。大魔法使いフランメが作り上げた結界魔法は今でも現役のものがある。万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)は死後残り続ける魔法なんだね」
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デンケン「そうだ。仮に黄金郷を元に戻せるのだとすれば、それはマハトだけだ。奴もそれを自覚している。だからマハトは決して黄金郷を元には戻さないし、儂はマハトを殺せない。たとえ殺せる手段が見つかっても、それは同じことだ。マハトは自分の命の価値をよくわかっている」
フェルン「まるで人質みたい…」
フリーレン「だから意味が無いとわかっていても話し合いを続けるのか。黄金郷を元に戻すという決して叶わない願いのために。確かに勝てないけれども負けることも無い、最悪の状況ってわけだ」
デンケン「…そういうことだ。行ってくる」
フリーレン「ねぇ。その話し合い、私も付いて行っていい?」
シュタルク「…それって大丈夫なのかよ?」
デンケン「…儂の友人として紹介すればマハトは手を出さないだろう。だが確証は無い。そんな不確定な要素に命を懸けさせるわけにはいかん」
フリーレン「不確定な要素に命を懸けているのはデンケンも同じでしょ」
デンケン「……」
フリーレン「確かめたいことがある。それにはマハトを直接見る必要があるんだ。私達は勝算を探しているんでしょ?無駄な話し合いを続けるよりもよっぽど建設的な選択肢だと思うけど」
デンケン「わかった。共に行こう」
フリーレン「二人はここに残って」
フェルン「私達も行きます」
フリーレン「いいの?シュタルク震えているけど」
シュタルク「フリーレン。俺は昔から逃げ足だけは自信があるんだ。いざというときは俺が全員抱えて逃げてやるよ」
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フリーレン「大袈裟だね。ただの話し合いだよ。何も起こらないし、起こすつもりもない。ただ今の内に謝っておくから。怒らないでね」
フェルン・シュタルク「?」
マハト「お待ちしておりました。どうぞ中に。そちらの方々は?」
デンケン「儂の友人だ。丁重に扱え」
マハト「仰せの通り。お初にお目に掛かります。私はグリュック家、魔法指南役のマハトです」
フリーレン「初めましてではないよ。私は600年前に一度お前と戦っている」
マハト「とんだご無礼を」
フリーレン「そう。やっぱり覚えていないんだ。思い出させてあげようか?」
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デンケン「やめろ。儂らは話し合いに来たんだ」
マハト「失礼致しました」
マハト「どうぞ。冷めない内に。茶器等は黄金に変えないようにしているのです。グリュック様がお好きでしたから」
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シュタルク「おいフリーレン。なんのつもりだよ」
フリーレン「何が」
シュタルク「押し始めようとしてただろ?」
フェルン「心臓に悪い」
フリーレン「怒らないでって言ったでしょ。確かめたいことがあったんだよ」
マハト「確かめたいこと?興味深いですね。何かわかりましたか?」
フリーレン「うん。やっぱり勝てないことがわかったよ。そしてお前が完全無欠じゃないこともよくわかった」
マハト「…デンケン様。彼女は?」
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マハト「そうですか。魔王様を倒した勇者一行の魔法使い。フリーレン様。実に懐かしい。昔からデンケン様は勇者一行の冒険譚が大好きでしたからね」
フリーレン「随分と他人事のように語るんだね。魔王の敵討ちとか考えていないの?」
シュタルク「おい…」
マハト「そうですね。純粋にどうでもいい。忠誠心などあってないようなものでしたから。そもそも私は本当に戦いが嫌いなのです。私の願いはただこの地で平穏に暮らすこと。なのに人類はいつも私に争いを持ち込んでくる。今の貴方方のように。元々私は魔王軍の中でも穏健派で、共存の道を探してきました。支配の石環を着けられるよりも前からです」
フリーレン「どうだか。そんな台詞はいくらでも聞いたことがある。もう数えるのもやめるほどに。魔族は息をするように嘘をつくから」
マハト「息をするように。言い得て妙ですね。ですが私は嘘は言っておりません。デンケン様。エーデルを通じて私の記憶を読んだのはわかっています。貴方であればこれが私の本心だとわかるはず」
デンケン「ああ。マハトは人類との共存を望んでいる。嘘は言っていない」
フリーレン「なら尚更駄目だ。お前は危険すぎる。共存を謳っておきながら黄金郷を戻さず、侵入者を容赦無く殺している。そして何よりもお前からは死臭がする。それ程にまでお前は人を殺めてきた。人類との共存を望んでいるのに何故殺し続けるの?」
マハト「逆に疑問なのですが、何故そんなことを聞くのですか?」
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フリーレン「(ああやっぱり。この話し合いは本当に時間の無駄だ。魔族は絶望的なまでに人類とは違う生き物だ) うん。よくわかったよ。決して分かり合えないことが、よくわかった」
デンケン「…今日はこのくらいにしておこうか。帰ろう」
『帰り道』
フリーレン「…ねぇマハトとはどんな関係だったの?随分親しいようだったけど」
デンケン「彼は領主であるグリュック家のお抱えの魔法使いだ。そして儂の師でもあった」
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