葬送のフリーレン | 第9巻82話『万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)』ネタバレ | FRIEREN

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原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 82話 ネタバレ 感想 扉絵  レルネン デンケン 若い頃 FRIEREN Chapter 82
葬送のフリーレン 第82話ネタバレ
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葬送のフリーレン 第82話

サブタイトル万物を黄金に変える魔法 (ディーアゴルゼ)
配信日2022年2月9日
サンデー2022年11号
扉絵デンケンレルネン
単行本9巻
登場人物フリーレン
フェルン
シュタルク
デンケン
レルネン
エーデル
マハト

第82話 万物を黄金に変える魔法 (ディーアゴルゼ)

デンケン「ここは結界の管理者の小屋でな。とは言っても滞在するような変わり者はほとんどいない。歴代の管理者は結界の調整のときにだけ訪れて、それが終わったらすぐにこの地を立ち去っていたそうだ」
フリーレン「だろうね。結界に阻まれてるとはいっても、この場所はあまりにも黄金郷に、あまりにもマハトに近すぎる。魔法使いなら落ち着かないよね」
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シュタルク「フェルン大丈夫か?黄金郷を見てからずっと顔色が悪いみたいだけど…」
フェルン「…大丈夫です」
デンケン「すまないな。配慮に欠けた。慣れてはいない者にとってあの黄金郷は歪すぎる」
シュタルク「なぁ。何の話をしているんだ?」
フリーレン「やっぱりシュタルクは平気なんだね。こういうとき戦士は心強い」
シュタルク「魔法使いにしかわからないってことは魔力か?あの黄金郷か。マハトって奴がとんでもない魔力を出してるってことか?」
フェルン「…逆です。魔力を一切感じないんです。いくら結界があろうとこれほど広大な範囲を黄金に変えている魔法があるのならば、この場所からでも魔力を感じ取れるはずなんです。なのに何も感じない。私の魔力探知はあの黄金郷を、魔法で黄金に変えられた地域ではなく、広大な黄金の塊として認識している。魔法で変化した物ではなくただの黄金として認識しているんです」
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フリーレン「うん。フェルンの認識は間違っていないよ。私もそういう認識だ。気持ちが悪いよね。魔法なのに魔法と認識できないのは。マハトの魔法はね、万物を黄金に変える魔法(ディーアゴルゼ)。あらゆるものを黄金に変える“呪い”だよ」
シュタルク「“呪い”ってたしか魔族や魔物が使う、原理がまったくわかっていない魔法のことだよな」
デンケン「正確にはさらにその中で、眠らせたり石に変えたり生物や物質の状態を変化させる魔法の総称のことを言う」
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シュタルク「ということは解除するには僧侶の魔法…女神様の魔法が必要ってことか?」
デンケン「普通の呪いならな」
フリーレン「魔王軍との長い戦乱の時代に、マハトに黄金に変えられた英傑達は北側諸国だけでも数えきれない程いる。そいつらは全員未だに黄金の像のままだ。誰一人助かっていない」
フェルン「それって…」
フリーレン「ディーアゴルゼは女神様の魔法でも解除出来ない。私の知る限り最強の呪いだ。当然、魔法と認識できないから防御魔法でも防げないし、回避も出来ない。黄金郷のマハトが最強の七崩賢と呼ばれる所以だよ。だから正直に言うと、勝算なんてものがあるとは思えない。それこそゼーリエでも連れてこないと…」
デンケン「それも含めて、順を追って話そう。儂の前任者であったレルネン一級魔法使いが引き継ぎ前に黄金郷の内部を調査してくれた。その情報を彼に同行していたエーデル二級魔法使いから受け取っている。まずはそれから…」
フリーレン「先に結論を教えて」
デンケン「……」
『レルネン&エーデル』
レルネン「ご苦労だったね、エーデル。あと数日もすればオイサーストに帰れる」
エーデル「まったく。黄金郷の調査など生きた心地がせんわ」
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レルネン「その代わり有意義な情報をデンケンに手渡せた。彼の故郷を救う手助けになる」
エーデル「随分とデンケンに肩入れをするじゃないか。理由を聞いていいか?」
レルネン「話すと少し長くなるかな」
エーデル「良い。どうせ暇じゃ」
レルネン「昔からの友人なんだ。私は若い頃、宮廷勤めの魔法使いだった。デンケンとは同期でね。デンケンは帝国軍出身。私は貴族のボンボンだった。でも妙に気が合ってね。一緒に働くのは楽しかったよ」
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レルネン「でも私は才はあったが世渡りがあまり得意ではなくてね。若くして地位を追われた。最後まで私を庇ってくれたのはデンケンだけだった。そのとき私はいつか彼に恩を返そうと心に決めたんだ」
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レルネン「彼は私と同じで捻くれた青年だったが、私には無い熱意のようなものがあった。それにすごい愛妻家でね。いつも変わらない口調で淡々と話す、妻との惚け話を私はよく苦笑いをしながら聞いたものだ。彼の妻が亡くなってからも、その思い出やいつか故郷に帰るんだという話を山ほど聞いたよ。本当に懐かしい。今の彼はそんな話はほとんどしなくなってしまったからね」
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レルネン「結局デンケンは50年以上も故郷に帰らなかった。わからなくもないさ。遠い昔に失ってしまったものと向き合うのは途方もない勇気がいる。そして数年前にデンケンの故郷が黄金郷に吞み込まれて、ようやく彼は重い腰を上げた。だから私は彼が故郷に帰る手助けをしてやりたいと思ったんだ。硬く冷たい黄金郷ではなく、彼が過ごした色鮮やかな故郷の地へ。…デンケンの決断は遅すぎると思うだろう?」
エーデル「そうじゃな。あまりにも今更じゃ」
レルネン「そう。今更だ。でも私は彼を責められない。私達は人間だ。生きられる時間は限られている。“いつか”なんてときは私達の人生には存在しない。本当に愚かだ。私もデンケンもそんな単純なことに歳を取るまで気が付かなった。私はね、デンケンへの恩返しをずっと後回しにしてきた。いつでも出来る。いつか彼が本当に困ったときに手を差し伸べればいいとね。もう今生の別れなんていつやってくるかもわからないのに。私達にはもう今しかないんだよ。だから私は協力は惜しまないし、黄金郷からこの地を救う名誉をデンケンに譲ってやることにした。これは老いぼれの最後の悪あがきだ。遠い昔の面影を残したまま、黄金に変えられた故郷を見て彼は何を思うんだろうね。きっとデンケンは見せてくれるよ。私なんかには到底出来ないような力強く美しい最後の悪あがきを」
『フリーレン一行』
デンケン「結論から言うと、マハトに勝つのは無理だ」
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フリーレン「よし。解散」
シュタルク「最後まで聞こうぜ…」
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