葬送のフリーレン | 第9巻81話『黄金郷』ネタバレ | FRIEREN

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原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ
葬送のフリーレン 漫画 81話 ネタバレ 感想 扉絵 デンケン FRIEREN Chapter 81
葬送のフリーレン 第81話ネタバレ
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葬送のフリーレン 第81話

サブタイトル黄金郷
配信日2022年1月26日
サンデー2022年9号
扉絵デンケン
単行本9巻
登場人物フリーレン
フェルン
シュタルク
ヒンメル
アイゼン
ハイター
デンケン
レルネン
マハト

第81話 黄金郷

『勇者ヒンメルの死から30年後。北部高原ヴァイゼ地方』
フェルン「フリーレン様」
フリーレン「また大陸魔法協会からの依頼?」
フェルン「いえ、一級魔法使いレルネン様からの個人的な依頼のようです」
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フリーレン「大陸魔法協会も通さないってことは厄介事の予感がするね。正式な依頼って訳でもなさそうだし、断っちゃっていいんじゃない」
フェルン「あまり乗り気じゃありませんね」
フリーレン「私あいつ嫌いだし」
シュタルク「肩ぶち抜かれてたもんな…」
フェルン「報酬の魔導書も一緒に送られてきていますけれども…」
フリーレン「よし。やるか」
シュタルク「ええ…」
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シュタルク「すごいな…見渡す限りの黄金だ」
フリーレン「城壁都市ヴァイゼ。50年前に七崩賢、黄金郷のマハトの手によって一瞬で黄金に変えられた悲運の都市。噂には聞いていたけど、まさか大陸魔法協会が管理していただなんてね。黄金郷を覆う大結界の中には今もマハトが封印されているのか。しかし驚いたよ。依頼書には大陸魔法協会から派遣された結界の管理者を手伝うようにとあったけど。まさかデンケンだったとはね」
デンケン「ゼーリエに頼み込んでな。最近、結界の管理者の任務を継いだんだ。この地には…黄金郷には儂の故郷があるからな。皮肉なものだろう。ここから見える黄金郷はあまりにも美しい」
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シュタルク「…爺さんの故郷ってあそこだったのか?」
デンケン「正確にはそうではないな。城壁都市ヴァイゼは領主であるグリュック家、儂の義父が治めていた街だ。儂の故郷はもっと北。あの北端に位置する村だ。ずっと昔、あそこの屋敷で妻と二人で暮らしていた。あの村はたった数年前に黄金郷に呑み込まれたんだ」
フェルン「…数年前?どういうことですか?レルネン様の依頼書によると、黄金郷は50年前にマハト諸共結界で封じ込めたんですよね?」
デンケン「結界はマハトを封じるためのものにすぎん。黄金郷は今も少しずつ広がっている。だから毎年、結界の範囲を調整するための管理者が必要なんだ」
フリーレン「なるほどね。大陸魔法協会はそうやって結界の維持を続けてきたのか。マハトに手を出さないのはゼーリエらしくはないけれども英断だね。私でもたぶんそうする」
デンケン「…結界の管理者には黄金郷の大結界の通行権が与えられる。儂はもう黄金郷に入り、故郷の村で妻の墓参りも済ませた」
フリーレン「そう。満足した?」
デンケン「………」
フリーレン「言っておくけど、マハトと戦うつもりなら私達は一切協力はしない。やっぱり厄介事だったね。この依頼は受けない。フェルン、魔導書は送り返して」
フェルン「どうしたんですか。フリーレン様」
シュタルク「らしくないぜ」
フリーレン「らしくない?私はいつも皆の命を優先してきたつもりだよ」
シュタルク「ちょっと大袈裟なんじゃねぇか?今までだって魔族と戦って…」
フリーレン「私は昔、黄金郷のマハトに負けている。マハトは、私が今までの人生で負けたことのある11人の魔法使いの内の一人だ」
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フェルン「クヴァールと同じ…」
フリーレン「そして私は未だにマハトに勝てるイメージを持っていない。確実に仕留めることを考えれば、このまま結界に封じ込め続けたほうがいい。百年でも千年でも。どうせこの地方が黄金郷に包まれる前にマハトの寿命がやってくる。ゼーリエもたぶんそのつもりなんじゃないかな」
フェルン「フリーレン様。いくらなんでもそれは…」
デンケン「…確かに。儂も初めはそれでいいと考えていた。儂はお前達が考えているよりもずっと薄情な男でな。若い頃に妻が亡くなってから、今になるまで儂は一度も故郷に帰ったことは無かった。儂は律儀に妻の墓参りをするような殊勝な男ではないんだ。いつか帰ろう。いつか帰ろう。そう思いながら職責や立場を理由に帰らなかった」
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デンケン「何時しか儂は、妻と過ごした幸せな時間すら思い出すことを恐れていたのかもしれんな。数年前に、旧友の口からついに故郷が黄金郷に呑み込まれたという話を聞いたときにようやく、初めて故郷に帰ろうと決意した。本当に薄情な男だ。儂がこの地で結界管理の任を継いだのも、マハトを倒すだの故郷を救うだの、そんな勇敢な理由じゃなかった。すべてを諦めるためだったんだ。年月が経ち変わり果ててしまった故郷を、直接この目で見れば諦めがつくと思った。妻と過ごした思い出の故郷はもうここにはないのだと。半世紀以上も昔に置いてきたのだと。それを見届けた後、この地で静かに最期のときを迎えるつもりだった。だが」
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デンケン「昔と変わらなかったんだ。昔と変わらなかったんだよ。数年前に黄金郷に吞み込まれたばかりだというのに、思い出の場所は残っていた。儂は何をしていたんだろうな。どれ程昔であろうと、どれ程苦難に満ちた人生であろうと、あの幸せな時間は噓偽りのないものだったのに」
『回想』
フリーレン「花畑の魔法が見たいだなんてヒンメルは本当に変わっているね」
ヒンメル「…フリーレン。驚いたよ。君もそんな顔をするんだね」
フリーレン「この魔法はね。ずっと昔に死んでしまった私の師匠が好きだった魔法なんだ。だから出来るだけ使わないようにしていた。師匠を思い出すから。けれども不思議だね。今はとても穏やかな気持ちなんだ」
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ヒンメル「…僕はね。君がどんな人生を過ごしてきたのかなんて知らない。でもそれはきっと辛く苦しい道のりだったんだろうね。こんな簡単なこともわからなくなる程の」
フリーレン「簡単なこと?」
ヒンメル「君はきっと師匠と過ごした時間が幸せだったんだよ。ただ幸せだっただけなんだ。だから思い出していいんだよ。思い出していいんだ。フリーレン」
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『現在』
デンケン「フリーレン、引き留めて悪かった。こんな依頼は受けなくていい。レルネンが余計な気を利かせて依頼を出しただけだ。儂は元々一人で戦うつもりだった。それに勝算を探せるだけの情報は手に入れたつもりだ。無茶はせん。死ぬのなら故郷の色鮮やかな景色を見た後にしたいからな」
フリーレン「わかった。協力するよ。デンケン。まずはその勝算とやらを探すのを手伝うよ。尻尾を巻いて逃げ出すっていう作戦は、別に今じゃなくても使えるからね」
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