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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ![]() 葬送のフリーレン 第83話ネタバレ | |||
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葬送のフリーレン 第83話 | |||
サブタイトル | 支配の石環 | ||
配信日 | 2022年2月16日 | ||
サンデー | 2022年12号 | ||
扉絵 | マハト | ||
単行本 | 9巻 | ||
登場人物 | フリーレン フェルン シュタルク デンケン レルネン エーデル カンネ ラヴィーネ メトーデ マハト タオ フリュー | ||
第83話 支配の石環デンケン「確かに結論から言うとマハトには勝てん。だが現状では恐らく負けることもない。だから今まで集めた情報の中から勝算を見出したいと考えている」 フリーレン「ちょっと待って。負けることもないってどういうこと?」 デンケン「フリーレン。マハトと戦ったことのあるお前なら何故儂が未だに生きているのか疑問に思ったはずだ」 フリーレン「まあね」 フェルン「どういうこですか?」 デンケン「儂は一度黄金郷に入り故郷の村で妻の墓参りをしている」 フリーレン「マハトの魔力探知は黄金郷全域に及ぶ。その探知能力は極めて精密だ。私でもそう簡単に欺けるものじゃない」 デンケン「現に儂はマハトに見つかった。見逃されたんだ。今のマハトに少なくとも儂を殺す意思はない」 フリーレン「断言するんだね。まるでマハトのことをよく知っているみたいだ」 デンケン「だから順を追って話すと言っているだろう。これには複雑な事情がある。まずはこの黄金郷とマハトの現状について話そう。50年前にマハト諸共、城壁都市ヴァイゼを結界で封印したのは、当時発足したばかりの大陸魔法協会だった。だが封印したのはいいものの大陸魔法協会は消極的でな。こうして結界を管理する以外のことはやってこなかった。それで旧友であるレルネンが個人的に黄金郷の内部の調査を行ってな。同行していたエーデル二級魔法使いから記憶という形でその調査記録を受け取った。先にその情報から話そう」 『回想』 エーデル「うむ。可愛い」 カンネ「でしょー。あそこのパン屋さんの新作なんだよ。私がねこちゃんで、ラヴィーネはうさぎちゃんです」 ラヴィーネ「うまいぞこれ」 カンネ「容赦無さ過ぎだよぉ!もっとかわいいものを愛でようよぉ」 エーデル「うーむ。くまさんもあるのか…これは悩むのう」 レルネン「あちらの新作、三種類全部くれないか」 エーデル「ブ、ブルジョワじゃ…!」 『現在』 シュタルク「…なぁ、この場面の話いる?」 フリーレン「記憶の譲渡は高度な魔法だからね。区切りが難しいんだよ。印象に残った場面から始まることが多いみたい。でもこの場面から話す必要はないかな」 『回想』 エーデル「いいのか?」 レルネン「この程度、これから君の本家に支払う報酬に比べたらなんてことはないからね。エーデル二級魔法使い」 エーデル「また大陸魔法協会の仕事か。レルネン一級魔法使い」 レルネン「まあ今回は私の個人的な依頼に近いかな」 エーデル「どちらでもよい。働くのは嫌じゃ」 レルネン「すまないね。今の一級魔法使いには君程優れた精神魔法の専門家は存在しないんだ」 エーデル「メトーデとかいうやばい女がいるじゃろう」 レルネン「メトーデは専門という程ではないからね。それに彼女は一級魔法使いの中ではだいぶまともなほうだよ」 エーデル「苦労しているんじゃなレルネン」 レルネン「そうでもない。中々楽しいよ。きっと私が一番まともじゃないのだろうね」 エーデル「それで依頼の内容は?」 レルネン「黄金郷絡みだ」 エーデル「儂に出来ることがあるのか?対人戦でなければ精神操作魔法はほとんど役に立たんことは知っているじゃろう」 レルネン「魔族の心は操れない」 エーデル「そうじゃ。精神操作魔法、正確には、人類の作り上げた精神操作魔法は人類かそれに近い生物にしか通用せん。起源や精神構造のまったく違う別の知的生命体である魔族には効果がない。儂らは人類じゃからな。魔族の心を推測することは出来ても共感することは決して出来ん。そんな状態でどうやって心を掌握できよう」 レルネン「うん。だから君の役割はそれじゃない」 エーデル「これは…」 レルネン「支配の石環。神話の時代に賢者エーヴィヒが作り上げた、この世界で唯一の魔族の心を操る魔道具。そのレプリカだ」 レルネン「昔これを使って悪さをした人々がいてね。七崩賢黄金郷のマハト。彼はあらゆるものを黄金に変える魔法の使い手だった。城壁都市ヴァイゼの領主は巨万の富を得るためにマハトに支配の石環を着け、意のままに操っていた。だがマハトは反逆し城壁都市ヴァイゼは一瞬で黄金に変えられ滅び去った。数少ない黄金郷からの生存者の情報によると、マハトは未だに支配の石環を着けたままだそうだ。だから私はなんらかの理由で支配の石環に不具合が生じていると考えている。このレプリカは効力は発揮しないが、術式は忠実に再現されている。エーデル。魔族の心はわからなくとも精神魔法の専門家である君ならこの術式を解析できるはずだ」 エーデル「なるほど。儂にマハトに着けられた支配の石環を修復させるつもりか」 レルネン「私は支配の石環が黄金郷のマハトを倒すための鍵だと考えている」 エーデル「…プレッシャーを掛けるのう。失敗したらどうするつもりじゃ」 レルネン「私がどうしてこの齢まで生き残ってこれたと思う?引き際だけは弁えているからだよ」 『馬車の中』 レルネン「そろそろ着きそうだね。先に私の協力者達が事前調査のために黄金郷内部に入っている」 エーデル「大丈夫なのか?」 レルネン「指揮を取っているのはタオ一級魔法使いだ。まだ若いが北部高原の戦闘経験も豊富な精鋭だ。他は君と同じ二級魔法使いだが、タオ以上に場数を踏んでいる奴等ばかりだ。彼らなら有意義な情報を持ち帰るはずだ。まずはその報告を受けよう」 『森の中』 レルネン「…まだ集合場所ではないはずだが」 フリュー「…レルネン様」 レルネン「フリュー二級魔法使い。報告を」 フリュー「…報告します。黄金郷の内部でマハトに遭遇しました。一瞬でした。魔法を使う暇もなく他の仲間は全員殺されて」 レルネン「…一瞬?待て。何故君は生き残った?」 フリュー「私はただ必死に逃げて…」 レルネン「言い方を変える。何故君はマハトに生かされた?」 フリュー「わかりま……あ…」 レルネン「エーデル!今すぐ彼女の記憶を読め!」 エーデル「…もう遅い」 エーデル「…レルネン。ここは黄金郷の結界の外側じゃ」 レルネン「なるほどね。…すまなかったフリュー。辛い役割をさせてしまった。彼女を見逃したのは私達への忠告のためか。“お前達ごときいつでも始末できる”。随分と舐められたものだね。黄金郷に行くのが楽しみになってきたよ」 | |||
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