葬送のフリーレン | 第9巻79話『トーア大渓谷』ネタバレ | FRIEREN

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原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ 葬送のフリーレン 第79話ネタバレ
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葬送のフリーレン 第79話
サブタイトル	トーア大渓谷
配信日	2022年1月12日
サンデー	2022年7号
扉絵	フリーレン、フェルン、シュタルク
単行本	9巻
登場人物	フリーレン フェルン シュタルク ヒンメル アイゼン ハイター ゲーエン
第79話 トーア大渓谷 『勇者ヒンメルの死から30年後。北部高原トーア大渓谷』 シュタルク「とんでもない深い渓谷だな。底がまったく見えないぞ」 フリーレン「三千ｍの大絶壁だ。この大陸で一番深い渓谷なんだよ。北部高原の標高の高さが成せる業だ」 シュタルク「それでこれどう渡るんだ？」 フェルン「凄い風ですね。これでは飛行魔法では渡れませんね」 シュタルク「なんかちょっと前にも似たようなことがあったな」 フリーレン「上流の方まで行けば渡河は可能だけど、険しい山岳地帯を抜ける必要があるから、かなり大回りになるね」 フェルン「下流の方はどうなんですか？」 フリーレン「海に面した場所も三千ｍの断崖絶壁だ。景色はとてもいいみたいだけど行ってみる？」 フェルン「結構です」 フリーレン「どちらにせよ、このままだと渓谷を越せるのに二週間は掛かるかな」 フェルン「かなり掛かりますね」 シュタルク「まあ仕方ないんじゃないか」 フリーレン「うーん…もしかしたらそろそろ出来てるかも」 フェルン「なんの話ですか？」 フリーレン「とにかく上流を目指そうか。運が良ければ途中で渓谷を渡れるかも」 フェルン「フリーレン様」 フリーレン「見えてきたね」 シュタルク「すげぇな。あれってもしかして橋か？」 フリーレン「うん。出来ているみたいだね。ゲーエン」 ゲーエン「久しいなフリーレン」 フリーレン「無事橋は出来たみたいだね」 ゲーエン「ああ」 フェルン「この人は？」 フリーレン「ゲーエンだよ。200年前からここに橋を作っているドワーフだ」 シュタルク「すごいな」 フリーレン「でも驚いたよ。これだけの橋が出来ているのなら交通の要所になっていてもおかしくない。なのに全然噂を聞かなかったから、まだ出来ていないものだと思っていたよ」 ゲーエン「フリーレン。実は一つ問題があってな。この通り大型の鳥の魔物が強風を起こしていてな。先日も黄金郷とやらを目指した商人の一団が馬車ごと飛ばされた」 ゲーエン「しかもいくらでもわいてくる。近くに大きな巣ができたらしくてな。そのせいでこの橋は使い物にならん。幸い巣はこちらの岸のどこかにあるようだ。それをなんとかしてくれんか。200年もかけて作り上げた橋なんだ」 フリーレン「報酬は？」 ゲーエン「“パンケーキを上手にひっくり返す魔法”だ。材料もある。明日は豪華な朝食が食べられるぞ」 フリーレン「引き受けた」 フリーレン「ゲーエンの話だとここら辺だね」 フェルン「流石に険しいですね」 フリーレン「気を付けてね。落ちたら一巻の終わりだよ」 シュタルク「ところでゲーエンはなんでこの渓谷に橋を作っていたんだ？」 フリーレン「たぶん後悔だろうね」 『回想 勇者一行』 ヒンメル「そうか。橋は建設中か。残念だな」 フリーレン「いつ頃出来る予定なの？」 ゲーエン「一生無理だろうな。建設資金も底を尽きた。口惜しいものだな。儂には時間などいくらでもあるのに」 ヒンメル「ゲーエンは何故こんな所で橋を作っているんだ？」 ゲーエン「昔この近くにあった儂の村が魔族に襲われてな。一番近くに駐屯していた軍は対岸の都市にいた。あのときここに橋があったら皆助かったんだ」 ヒンメル「これを使ってくれ。とある貴族の宝剣を魔族から取り返したときに受け取った報酬だ」 ゲーエン「…凄い額だな。受け取れん。これを受け取るのに見合った対価を儂は持ち合わせておらん」 ヒンメル「この橋がある」 ゲーエン「橋が出来るのは早くともお前が寿命で死んでからだ」 ヒンメル「対価はフリーレンが受け取るさ。千年は保つくらい丈夫に作ってくれ」 ゲーエン「…わかった。任せてくれ」 『現在』 フリーレン「見つけた。倒すよ」 ゲーエン「助かったよフリーレン。お陰でこの渓谷を自由に行き来できるようになった」 フリーレン「ゲーエンはこれからどうするつもりなの？」 ゲーエン「村でゆっくり老後を過ごすさ」 フリーレン「え？」 村人「良かったなゲーエン。今夜は宴だ」 ゲーエン「フリーレン。200年もあればまた新しく村もできる」 フリーレン「そっか。じゃあ出発しようか」
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