薬屋のひとりごと | 第10巻50話『みたび、水晶宮(前編)』ネタバレ | ビッグガンガン

KUSURIYA
原作(Original Story): 日向夏×ねこクラゲ
薬屋のひとりごと 10巻50話 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
薬屋のひとりごと 第50話ネタバレ
第50話 みたび、水晶宮(前編)
薬屋のひとりごと 10巻50話 扉絵 猫猫 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
単行本第10巻
ビッグガンガン2022年 Vol.02
配信日2022年1月25日
登場人物猫猫(マオマオ)
玉葉妃(ギョクヨウヒ)
梨花妃(リファヒ)
紅娘(ホンニャン)
桜花(インファ)
愛藍(アイラン)
深緑(シェンリュ)
STORY
愛藍「申し訳ありません。ここで飲んでいけば良かったのですが」
薬屋のひとりごと 10巻50話 水晶宮 玉葉妃 愛藍 猫猫 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
『体調を崩した愛藍が診療所から戻って来た。なんでも煎じて渡した薬を診療所の中で飲んだら、あの中年の女官に出どころを聞かれたらしい。確かに医官もおらず薬を使う許可が下りない診療所に勝手に煎じた薬を持ち込んでは駄目だった』
愛藍「それでその…猫猫をしばし貸してくれないかとのことです」
『呼び出しを食らってしまった。お目付け役に桜花まで…なんか面倒くさいことになったなぁ』
桜花「ねぇ猫猫、昨日庭の灯籠で何かやってなかった?」
薬屋のひとりごと 10巻50話 猫猫 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「ちょっと薬の材料を探していました (見られていたか…診療所からの帰り道で壬氏たちと会ったあと、新しい薬を思いつき、昨夜早速材料を探しに行ったのだ)」
桜花「灯籠で探し物?まさか虫とかじゃないわよね」
猫猫「虫ではありません」
桜花「本当かなぁ…そうでなくてもあんたの部屋、最近物が増えすぎよ。薬の匂いがきついって紅娘さまが目を吊り上げているわ」
猫猫「それは怖いですね (あの侍女頭はなかなか手が早い。しかしあれくらい気が強くなければ後宮内ではやっていけないだろう)」
桜花「そのうち部屋を追い出されて馬小屋に移されちゃうかもしれないわよ」
猫猫「それはいいですね」
薬屋のひとりごと 10巻50話 猫猫 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「(庭の物置小屋なら今の部屋よりも広くて皆の寝室から離れているため夜中の物音も心配ない。医局の掃除で使わない道具がたくさん出てきたし、小屋に移れば火を使う作業もできるかもしれない) では早く診療所の中に入りましょうか」
桜花「えっちょっと」
猫猫「帰ったらすぐにでも紅娘さまに打診してみます」
桜花「あのさっきのは…ちょっちょっと」
深緑「昨日は失礼いたしました。貴妃のところのかたたちとは思いもよらず」
『診療所 女官 深緑』
薬屋のひとりごと 10巻50話 診療所 深緑 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「いえ (目が玉葉妃と同じように緑がかっている。名前も目の色からきているのだろうか…西の血が混じっているのかもしれない。貴妃とは玉葉妃の官名だ。宮の外の女官たちは妃を官名で呼ぶことが多い。昨日は肝っ玉母さんのように見えたが、長年後宮にいるところからも後宮女官として教育を受けた賢い人なのだろう。もしくは特別な理由があるのか…それにしてもこうした待遇はなんだか悪い気がするな。いろいろと目を瞑られる傾向にある上級妃の侍女を呼び出すなんて深緑としても居心地が悪いだろう)」
深緑「失礼を承知で頼みたいことがあります」
猫猫「なんでしょう (失礼な態度をとられるのは慣れているしなんならこちらもやっているかもしれない)」
深緑「賢妃のもとに薬を作ってほしいのです」
桜花「なっ!?それがどういうことかわかっているの!」
薬屋のひとりごと 10巻50話 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
深緑「わかっています」
猫猫「(賢妃とは梨花妃のことだ。玉葉妃の女官である自分に他の宮の女官の薬を作ってくれということは)…何か理由があるようで」
桜花「猫猫!?」
猫猫「すみません。話だけでも…事情をお聞かせいただけますか?」
深緑「わかりました。北の洗濯場に来ていた顔馴染みの下女です。以前から倦怠感や微熱が続いているとは聞いていました。それが変な咳をし始めたので一度しっかり休みをとるよう言ったのです。するとその後からこちらの洗濯場に来なくなって…」
薬屋のひとりごと 10巻50話 深緑 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「診療所には来なかったのですか?」
深緑「はい。妙な咳だったので一度来るように勧めたのですが、上からの許しが出なかったと」
猫猫「(あそこの悪いところだ。洗濯の下女が許しを乞う相手なら妃ではなく侍女の誰かだろう。下女の言葉など無視された可能性が高い)」
深緑「その下女を見かけなくなってもう五日になります」
桜花「面倒くさいことになったわねぇ」
猫猫「そうですねぇ」
薬屋のひとりごと 10巻50話 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
桜花「本当にいるのかしらそんな下女」
猫猫「確かに、洗濯場を変えただけかもしれません。調べる必要があると思います (もし本当にいるのなら早く見つけ出す必要がある。症状からすると放っておける状態じゃない。ちゃんと処置しなくては…水晶宮だけで終わらない問題へ発展する可能性がある)」
桜花「…猫猫あなたがそういうのを気にする性格なのはわかっているけど場所が場所よ。ちゃんとお伺いを立ててから行くのよ。突っ走るのは良くないわ」
猫猫「…はい (そうだ、先走るのは良くない。一刻も早く行きたいところだが、先日失敗したばかりだ。とりあえず壬氏に取り次いでもらうとして今は何か落ち着くことを考えよう)」
薬屋のひとりごと 10巻50話 猫猫 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
桜花「猫猫!?もうっ言っているそばから!」
薬屋のひとりごと 10巻50話 猫猫 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「すみません。探し物が見つかったのでつい」
桜花「探し物って例の虫?やめてよ」
猫猫「虫じゃないですよ。それにこれは本体ではないですし、ほら、本体は逃がしてしまいましたが尻尾は捕まえられました。昨日も灯籠にたかる蛾を狙って蜥蜴がいないか探していたんです (蜥蜴の尻尾は取れてもまた生えてくる。何事も最後まで希望を捨ててはいけない。諦めてはそこで終わりだとどこぞの仙人も言っていた。生やす薬を作るならそれに似た仕組みを持つものを知るところからだ) 何故取れた尻尾が生えてくるのか調べてみようと思いまして」
薬屋のひとりごと 10巻50話 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
猫猫「…って桜花さん?」
薬屋のひとりごと 10巻50話 猫猫 水晶宮 侍女 インファ 桜花 原作 ねこクラゲ The Apothecary Diaries chapter 50
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