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竈門炭治郎「(禰豆子…眠ってくれてよかった…)」
竈門炭治郎「ゆっくりとお休み」
竈門炭治郎「(まだやれる…まだ…動ける…今度は…戦い抜く！最後まで！)」
妓夫太郎「チッ！気に食わねえなぁあ、いい面で女房3人いてそれで格好までつけてやがる」
妓夫太郎「お前違うなぁ、今まで殺した柱たちと違う、お前は生まれた時から特別な奴だったんだろうなぁ、選ばれた才能だなぁ、妬ましいなぁ、一刻も早く死んでもらいてぇなぁ」
宇髄天元「才能？俺に才能なんてもんがあるように見えるか？俺程度でそう見えるなら、テメェの人生幸せだな」
宇髄天元「何百年生きてようがこんな所に閉じ込もってりゃあ、世間知らずのままでも仕方ねぇのか」
堕姫「お前に何がわかる！」
宇髄天元「わかんだよ。知らねえだろ？この国はな、広いんだぜ。凄ェ奴らがウヨウヨしてる」
宇髄天元「わかんだよ。知らねえだろ？この国はな、広いんだぜ。凄ェ奴らがウヨウヨしてる」
宇髄天元「得体の知れねぇ奴もいる。刀を握って二月で柱になるような奴もいる」
宇髄天元「俺が選ばれてる？ふざけんじゃねぇ！俺の手の平から今までどれだけの命が溢れたと思ってんだ！」
宇髄天元「(そう、俺は煉獄のようにはできねぇ)」
妓夫太郎「だったらどう説明する？俺の血鎌は猛毒があるのにいつまで経ってもお前は死なねぇじゃねぇか、オイ」
堕姫「忍なんて江戸の頃には絶えてるでしょ！嘘つくんじゃないわよ！」
宇髄天元「嘘じゃねぇよ。忍は存在する」
宇髄天元「姉弟は九人いた」
宇髄天元「十五になるまでで七人死んだ。一族が衰退していく焦りからか、親父は取り憑かれたように厳しい訓練を俺たちに強いた」
宇髄天元「生き残ったのは俺と二つ下の弟のみ。そして弟は親父の複写だ」
宇髄天元「親父と同じ考え、同じ言動、部下は駒、妻は後継ぎを産むためなら死んでもいい、本人の意思は尊重しない、ひたすら無機質」
宇髄天元「俺は…あんな人間になりたくない！」
産屋敷耀哉「つらいね天元、君の選んだ道は」
産屋敷耀哉「自分を形成する幼少期に植え込まれた価値観を否定しながら、戦いの場に身を置き続けるのは苦しいことだ」
産屋敷耀哉「様々な矛盾や葛藤を抱えながら君は、君たちはそれでも前を向き戦ってくれるんだね。人の命を守るために」
産屋敷耀哉「ありがとう。君は素晴らしい子だ」
宇髄天元「(俺の方こそ感謝したい、お館様、貴方には命は賭けて当然、全てのことはできて当然、矛盾や葛藤を抱える者は愚かな弱者、ずっとそんな環境でしたから)」
妓夫太郎「やっぱり毒効いてるじゃねぇか、じわじわと、効かねぇなんて虚勢張ってみっともねぇなああ」
宇髄天元「いいや！全然効いてないね！踊ってやろうか！絶好調で天丼百杯食えるわ！派手にな！」
妓夫太郎「俺の妹を蹴んじゃねえよなぁ！」
妓夫太郎「(特殊な火薬玉だなぁ、鬼の体を傷つける威力、斬撃の僅かな摩擦で爆ぜる、気づかねぇで斬っちまって喰らったな、すぐ攻撃喰らうからなぁ、アイツは)」
妓夫太郎「(刀身が伸びっ…)」
妓夫太郎「(刃先を持ってやがる！どういう握力してやがる！)」
宇髄天元「こっちを仕留め損なったぜ」
堕姫「また頚斬られたぁ！糞野郎！糞野郎！絶対許さない！悔しい悔しい！なんでアタシばっかり斬られるの！」
妓夫太郎「お前もしかして気づいてるなぁ？」
宇髄天元「何に？」
妓夫太郎「気づいた所で意味ねぇけどなぁ、お前は段々と死んでいくだろうしなぁあ、こうしている今も俺たちはジワジワ勝ってるんだよなああ」
宇髄天元「何に？」
妓夫太郎「気づいた所で意味ねぇけどなぁ、お前は段々と死んでいくだろうしなぁあ、こうしている今も俺たちはジワジワ勝ってるんだよなああ」
嘴平伊之助「それはどうかな！？」
嘴平伊之助「俺を忘れちゃいけねえぜ！この伊之助様とその手下がいるんだぜ！」
妓夫太郎「何だ？こいつら」
まきを「怪我人はこっちへ！」
まきを「怪我人はこっちへ！」
須磨「それ以外の人は逃げてください！」
宇髄天元「てめえら…派手な登場じゃねえか！気に入ったぜ！」
妓夫太郎「下っぱが何人来たところで幸せな未来なんて待ってねえからなあ」
妓夫太郎「全員死ぬのにそうやって瞳をきらきらさすなよなあぁ」
竈門炭治郎「(鬼が二人になってる！どういうことだ)」
竈門炭治郎「(そして帯鬼も死んでいない)」
竈門炭治郎「(どっちも上弦の陸なのか？分裂している？だとしたら本体は間違いなくこっちの男だ！匂いが違う！匂いの重みが…喉の奥が麻痺するようだ)」
竈門炭治郎「(手が震える…疲労からだろうか…それとも…恐れ…いや、それでも俺は、俺たちは)」
宇髄天元「勝つぜ！俺たち鬼殺隊は！」
堕姫「勝てないわよ！頼みの綱の柱が毒にやられてちゃあね！」
竈門炭治郎「毒！？」
宇髄天元「余裕で勝つわボケ雑魚がァ！毒回ってるくらいの足枷あってトントンなんだよ！」
堕姫「強がってんじゃないわよ！」
堕姫「強がってんじゃないわよ！」
宇髄天元「うるせぇ！人間様を舐めんじゃねぇ！こいつらは三人共優秀な俺の継子だ！」
宇髄天元「逃げねぇ根性がある！」
嘴平伊之助「ハハッ！まあな！」
宇髄天元「手足が千切れても喰らいつくぜ！そしてテメェらの倒し方はすでに俺が看破した！」
宇髄天元「手足が千切れても喰らいつくぜ！そしてテメェらの倒し方はすでに俺が看破した！」
宇髄天元「同時に頚を斬ることだ！二人同時にな！そうだろ！」
宇髄天元「そうじゃなけりゃそれぞれに能力を分散させて弱い妹を取り込まねぇ理由がねぇ！ハッハー！チョロいぜお前ら！」嘴平伊之助「ワハハハ！なるほどな！簡単だぜ！俺達が勝ったも同然だな！」
妓夫太郎「その簡単なことができねぇで鬼狩りたちは死んでったからなあ、柱もなあ、俺が十五で妹が七、喰ってるからなあ」
竈門炭治郎「そうよ！夜が明けるまで生きてた奴はいないわ！長い夜はいつもアタシたちを味方するから」
竈門炭治郎「どいつもこいつも死になさいよ！」
嘴平伊之助「蚯蚓女は俺と寝ぼけ丸に任せろ！お前らはその蟷螂を倒せ！わかったな！」
竈門炭治郎「気を付けろ！」
嘴平伊之助「おうよ！」
堕姫「お前、あの時の…」
我妻善逸「俺は君に言いたいことがある」
我妻善逸「耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ」
我妻善逸「たとえ君が稼いだ金で衣食住与えていたのだとしても、あの子たちは君の所有物じゃない」
我妻善逸「俺は君に言いたいことがある」
我妻善逸「耳を引っ張って怪我をさせた子に謝れ」
我妻善逸「たとえ君が稼いだ金で衣食住与えていたのだとしても、あの子たちは君の所有物じゃない」
我妻善逸「何をしても許されるわけじゃない」
堕姫「つまらない説教を垂れるんじゃないわよ！お前みたいな不細工がアタシと対等に口を利けると思ってるの？」
堕姫「この街じゃ女は商品なのよ。物と同じ。売ったり買ったり壊されたり持ち主が好きにしていいのよ」
堕姫「不細工は飯を食う資格ないわ。何もできない奴は人間扱いしない」
我妻善逸「自分がされて嫌だったことは人にしちゃいけない」
堕姫・妓夫太郎「違うなあ、それは！人にされて嫌だったこと苦しかったことを人にやって返して取り立てる。自分が不幸だった分は幸せな奴から取り立てねぇと取り返せねえ」
堕姫「この街じゃ女は商品なのよ。物と同じ。売ったり買ったり壊されたり持ち主が好きにしていいのよ」
堕姫「不細工は飯を食う資格ないわ。何もできない奴は人間扱いしない」
我妻善逸「自分がされて嫌だったことは人にしちゃいけない」
堕姫・妓夫太郎「違うなあ、それは！人にされて嫌だったこと苦しかったことを人にやって返して取り立てる。自分が不幸だった分は幸せな奴から取り立てねぇと取り返せねえ」
堕姫・妓夫太郎「それが俺たちの生き方だからなあ！言いがかりをつけてくる奴は皆殺してきたんだよなあ。お前らも同じように喉笛掻き切ってやるからなああ！」
竈門炭治郎「(すごい殺気だ！肘から首まで鳥肌が立つ！当たり前だろ！相手は上弦の陸だぞ！しっかりしろ！)」
竈門炭治郎「(宇髄さんは毒を喰らってる。俺が守らないと！アイツが動いた瞬間に刀を振れ！ほんの少しでも動いたらその瞬間に)」
竈門炭治郎「(振れっ！刀を振れ！)」
竈門炭治郎「(避けろ！避けろ！のけ反れ、のけ)」
竈門炭治郎「(何をしてるんだ！逆に庇われて…足を引っ張ってる！)」
竈門炭治郎「(上から無数の帯が)」
堕姫「アハハハハハハハハ！」
嘴平伊之助「うおっ！目が三つ！？」
堕姫「全部見えるわ！アンタたちの動き！兄さんが起きたからね。これがアタシの本当の力なのよ」
嘴平伊之助「うるせぇ！キンキン声で喋るんじゃねぇ！」
妓夫太郎「継子ってのは嘘だなあ、お前らの動きは統制がとれてねえ、全然だめだなあ」
堕姫「アタシに近づくことすらできやしない」
嘴平伊之助「うるせぇ！キンキン声で喋るんじゃねぇ！」
妓夫太郎「継子ってのは嘘だなあ、お前らの動きは統制がとれてねえ、全然だめだなあ」
堕姫「アタシに近づくことすらできやしない」
嘴平伊之助「うっせえ！蚯蚓女！てめぇこそカタガタ言わず悔しかったらやってみやがれ！」
堕姫「望み通り！！」
妓夫太郎「死にやがれ！」
宇髄天元「(速い！本当に蟷螂みたいな奴だ！何だこの太刀筋は！)」
宇髄天元「(速い！本当に蟷螂みたいな奴だ！何だこの太刀筋は！)」
宇髄天元「(逃げ道がねぇ！)」
竈門炭治郎「(ぐあああ重い！攻撃が重い！流せ！受け流せ！まともに受けたら刀が折れる！)」
竈門炭治郎「(ぐあああ重い！攻撃が重い！流せ！受け流せ！まともに受けたら刀が折れる！)」
竈門炭治郎「(力に力で対抗するなら、絶対に弱い方が負ける！力の流れを見誤らず正しく受け流)」
竈門炭治郎「(防御力なら柔軟な水の呼吸が上なんだ！受け流すだけだったら、刃毀れなんかしなかったはず！)」
宇髄天元「(音の呼吸 伍ノ型)」
宇髄天元「(鳴弦奏々！)」
妓夫太郎「騒がしい技で押してきた所で意味ねぇんだよなあ！」
堕姫「死ね死ね！不細工共！」
嘴平伊之助「帯に加えて血の刃が飛んでくるぞ！何じゃこれ！」
嘴平伊之助「蚯蚓女に全然近づけねえ！くそっ！」
嘴平伊之助「特に血の刃はヤベぇ！」
嘴平伊之助「掠っただけでも死ぬってのを肌でビンビン感じるぜ！」
竈門炭治郎「(役に立て！少しでも攻撃を減らせ！勝利の糸口を見つけろ！)」
宇髄天元「(アイツももうやべえぞ！動けてるのが不思議なくらいだ！)」
宇髄天元「(多分肩の傷が相当深い！止血はしてるようだがギリギリだ)」
宇髄天元「(アイツももうやべえぞ！動けてるのが不思議なくらいだ！)」
宇髄天元「(多分肩の傷が相当深い！止血はしてるようだがギリギリだ)」
宇髄天元「(左手は柄に縛っておかないと握ってられねぇんだろ！)」
宇髄天元「(俺が毒を喰らっちまったせいで！)」
宇髄天元「(早くカタをつけなけりゃ全滅だ)」
竈門炭治郎「(くっ、苦しい…猛攻で息が続かないっ…意識が飛びそうだ…何とか回復の呼吸を！)」
妓夫太郎「(何だ？クナイか、柱を前にこの数全て捌くのは面倒だなあ、ちまちまと鬱陶しいぜ、ヒヨコの鬼狩りも三匹いるしなあ)」
妓夫太郎「(まあ当たった所でこんなもの…いや、そんな無意味な攻撃今するか？)」
妓夫太郎「(血鬼術 跋扈跳梁)」
妓夫太郎「(おいおいおい！何だ何だこいつは？突っ込んでくるぞ！)」
妓夫太郎「(刺さってんじゃねえか！てめぇにもクナイが)」
妓夫太郎「(そうか忍だ。剣士じゃない。元々こいつは感覚がまともじゃねぇ)」
妓夫太郎「(足が再生しない！やはり何か塗られていた、このクナイ)」
妓夫太郎「(恐らく藤の花から抽出されたもの、体が痺れ)」
妓夫太郎「(やるじゃねえかよぉ)」
妓夫太郎「(短時間で統制がとれ始めた。面白えなぁ！)」
雛鶴「(お願い！)」
次回予告宇髄天元「煉獄…お前ならどう戦う？俺はお前のようにはできないかもしれない…」
煉󠄁獄杏寿郎「俺だってお前のようにできはしない」
宇髄天元「煉獄」
煉󠄁獄杏寿郎「お前の剣技は美しい。妻はちょっと多すぎるがなハハハハハ！」
煉󠄁獄杏寿郎「竈門少年を、黄色い少年を、猪頭少年を頼んだぞ、宇髄」
宇髄天元「派手に任せておけや！次回、第九話 上弦の鬼を倒したら」
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