Detective Conan
第1020話 骨董盆は隠せない(後編)
キャスト
🔷江戸川コナン Edogawa Conan CV. 高山みなみ
🔷阿笠博士 Agasa Hiroshi CV.緒方賢一
🔷灰原哀 Haibara Ai CV.林原めぐみ
🔷赤井秀一 Akai Shuichi CV. 池田秀一
🔷沖矢昴 Okiya Subaru CV. 置鮎龍太郎
🔷千葉和伸 Chiba Kazunobu CV.千葉一伸
🔷西津方玄 CV.佐藤正治🔷蝶野欽治 CV.秋元羊介
🔷遠島基行 CV.古澤融
🔷坂巻鈴江 CV.津野田なるみ
千葉和伸「目暮警部、家政婦さんからの情報ですが」

千葉和伸「もしかしたら堆黒盆の解説が書かれたものじゃないかと…」
沖矢昴「あの、ちょっと拝見しても構いませんか?」
目暮警部「ああ、見たところ、事件とは関係なさそうだから、かまわんよ」


コナン「あれ?お皿の裏、塗料が剝がれてるよ?剥がれた所はヒビみたいなのが入ってるし…」

阿笠博士「変じゃのォ…ワシが見つけた時は塗料なんて剥がれてなかったんじゃが…」




コナン「あれ?お皿の裏、塗料が剝がれてるよ?剥がれた所はヒビみたいなのが入ってるし…」

阿笠博士「変じゃのォ…ワシが見つけた時は塗料なんて剥がれてなかったんじゃが…」


阿笠博士「鶴の向きと言われてものォ…」
コナン「(なるほど!そういうことか)」
千葉和伸「骨董品に割と詳しい鑑識さんが来てくれることになったので」

遠島基行「割と詳しいって…冗談じゃない!自分の箱に入ってた盆が本物と鑑定されたら西津さんを殺害した犯人だと疑われてしまうんですよね!?」

蝶野欽治「そんな重要な役目をいい加減な知識の持ち主に任せられるか」

坂巻鈴江「私も同じ意見です。まぁ私なら、本物の堆黒盆が欲しいからって人を殺害するなんて事しませんけど」

世良真純「なぁ、あんた達、鑑定士がいなくても、本物と偽物を見分けることができるって言ったら」

世良真純「どうだ?」

千葉和伸「骨董品に割と詳しい鑑識さんが来てくれることになったので」
遠島基行「割と詳しいって…冗談じゃない!自分の箱に入ってた盆が本物と鑑定されたら西津さんを殺害した犯人だと疑われてしまうんですよね!?」

蝶野欽治「そんな重要な役目をいい加減な知識の持ち主に任せられるか」

坂巻鈴江「私も同じ意見です。まぁ私なら、本物の堆黒盆が欲しいからって人を殺害するなんて事しませんけど」

世良真純「なぁ、あんた達、鑑定士がいなくても、本物と偽物を見分けることができるって言ったら」

世良真純「どうだ?」

世良真純「阿笠博士がさっき言ってただろ?頭を槍で殴られた西津法玄さんが、血まみれの手で本物の堆黒盆を指さしたって」

世良真純「その盆には西津さんの血の指跡が付き」

世良真純「その後で、博士がその盆を真横に裏返したら」

世良真純「表には鶴の絵柄あって、そのクチバシがちょっど血の指跡と同じ方向を向いていたって…」

阿笠博士「あぁ…そうじゃと思ったんじゃか…」


世良真純「その盆には西津さんの血の指跡が付き」

世良真純「その後で、博士がその盆を真横に裏返したら」

世良真純「表には鶴の絵柄あって、そのクチバシがちょっど血の指跡と同じ方向を向いていたって…」

阿笠博士「あぁ…そうじゃと思ったんじゃか…」

目暮警部「それぞれの盆に付いた血の跡を真上にして、そのまま真横にひっくり返したが」

目暮警部「鶴のクチバシが真上を向いた盆は一つもなかっただろう」

世良真純「じゃあ、もう一度確かめてみようよ!」

世良真純「博士が盆をひっくり返した時、血の跡が北東…時計でいうと1時半の位置に付いてたんだよな?」

目暮警部「鶴のクチバシが真上を向いた盆は一つもなかっただろう」

世良真純「じゃあ、もう一度確かめてみようよ!」

世良真純「博士が盆をひっくり返した時、血の跡が北東…時計でいうと1時半の位置に付いてたんだよな?」
高木渉「でもどうして…」
千葉和伸「さっきは血の跡と同じ方向にクチバシが向いた盆は一つもなかったのに…」

世良真純「それは血の跡を真上にしていたからさ!皿のようなものに印が付いていて真横にひっくり返した裏にも、同じ所に印が付いていた場合」
千葉和伸「さっきは血の跡と同じ方向にクチバシが向いた盆は一つもなかったのに…」

世良真純「それは血の跡を真上にしていたからさ!皿のようなものに印が付いていて真横にひっくり返した裏にも、同じ所に印が付いていた場合」
世良真純「博士が盆をひっくり返す前、血の跡は北東」

世良真純「時計でいうと、1時半の位置に付いていたということは」

世良真純「その時、鶴のクチバシは10時半…北西の方向を向いていないと」

世良真純「裏返した時に同じ位置には来ないんだ」

世良真純「だから、血の跡を真上にして裏返した時、クチバシが同じ真上に向いていなくても当然なんだよ」

目暮警部「なるほど!じゃあ、やはり西津さんを槍で刺殺し、本物の盆を自分の箱に入れ替えたのは、遠島基行さん」

遠島基行「何でそうなるんですか!?」

遠島基行「その阿笠って人は西津さんに"本物はコレだ"と聞いていたようですが、犯人がそれを聞いていたかどうかわからないでしょ?」

世良真純「時計でいうと、1時半の位置に付いていたということは」

世良真純「その時、鶴のクチバシは10時半…北西の方向を向いていないと」

世良真純「裏返した時に同じ位置には来ないんだ」

世良真純「だから、血の跡を真上にして裏返した時、クチバシが同じ真上に向いていなくても当然なんだよ」

目暮警部「なるほど!じゃあ、やはり西津さんを槍で刺殺し、本物の盆を自分の箱に入れ替えたのは、遠島基行さん」

遠島基行「何でそうなるんですか!?」

遠島基行「その阿笠って人は西津さんに"本物はコレだ"と聞いていたようですが、犯人がそれを聞いていたかどうかわからないでしょ?」

遠島基行「犯人がただ単に捜査を攪乱する為に、全部の盆に似たような血の跡を付けて、それぞれ元の箱に戻しただけかもしれないじゃないですか!」

遠島基行「だから、私の箱に本物が入っていたのは、元々私の盆が本物だったからで」

蝶野欽治「おいおい、勝手な事ぬかすな!」
コナン「そうだよ!往生際が悪すぎだよ、おじさん、だって他のおしさんやおばさんには無理だもん」

高木渉「どういうことだい?コナン君」

コナン「だってさぁ、犯人はあんなに長くて重い槍で鑑定士さんの頭を殴ったんでしょ?」

コナン「だから、おじさんやおばさんは力がないから、そんな重い槍を振り上げたら」

コナン「よろけて畳がきしんで音がして、西津さんに気づかれちゃうよ」

遠島基行「音!?」

高木渉「どういうことだい?コナン君」

コナン「だってさぁ、犯人はあんなに長くて重い槍で鑑定士さんの頭を殴ったんでしょ?」

コナン「だから、おじさんやおばさんは力がないから、そんな重い槍を振り上げたら」

コナン「よろけて畳がきしんで音がして、西津さんに気づかれちゃうよ」

遠島基行「音!?」
遠島基行「はははは!ボウズ、知らないようだから教えてあげよう」
遠島基行「実は、西津さんの補聴器は不具合を起こしていたんだよ。だから、たとえ犯人がよろけて畳がきしもうが、西津さんは微塵も気付かなかった…」

コナン「どうして知ってるの?」

遠島基行「え?」

コナン「西津さんの補聴器が不具合を起こしてたってどうして知ってるの?もしかして殴る前に本人に聞いたの?」

遠島基行「い…いや…それは…」

西津法玄「もしかして声をかけられましたかな?だとしたら申し訳ない。どうやらまた補聴器の具合が悪いようじゃ」



コナン「どうして知ってるの?」

遠島基行「え?」

コナン「西津さんの補聴器が不具合を起こしてたってどうして知ってるの?もしかして殴る前に本人に聞いたの?」

遠島基行「い…いや…それは…」

西津法玄「もしかして声をかけられましたかな?だとしたら申し訳ない。どうやらまた補聴器の具合が悪いようじゃ」

コナン「僕達が補聴器の不具合に気づいたのは博士のメールの事があったからだよね?」

灰原哀「ええ、私達がここへ来る30分前に、博士が西津さんに送ったメールが開かれていなかったから、それがメールの着信音に気づかなかったためだったとしたら、その頃から補聴器が不具合を起こしていたのは間違いない」

目暮警部「遠島さん、確かあなた言ってましたね?西津さんが耳につけているのが補聴器だとは気づかなかったと」

目暮警部「西津さんが皆さんと普通に会話されていた事を踏まえると…」

目暮警部「やはり補聴器の不具合を知ったのは、コナン君の言う通り…」





遠島基行「殺すつもりはなかったんです…娘の難病を治療するに、大金が必要で…最後の頼みの綱が倉から見つかった堆黒盆だったのに…」

遠島基行「似たような盆を持って来た人が私の他に2人もいて…居ても立っても居られずに、2人より先にここに鑑定結果を聞きに来たら」


西津方玄「これぞまさしく本物の堆黒盆じゃ!」

西津方玄「残念ながらあなたが持って来た盆ではなかったがね…しかしながら…」

遠島基行「それが私の盆だー!!」
遠島基行「500万…あと500万あれば…娘の手術ができるのに」
沖矢昴「だったら、あなたの盆でも十分だったと思いますよ」

沖矢昴「おそらく、他の2つの盆は贋作というより習作」

沖矢昴「名のある彫り師が若い頃に本物を手本にして彫ったであろう見事な品」

沖矢昴「本物にはかないませんが、おそらく数百万の値がついたかと…」


遠島基行「そんな…ううぅ…」
遠島基行「おい!そんなことより、本物の盆はどっちの箱に入っていたんじゃ?」
坂巻鈴江「どっちの箱に入れていたか覚えてない!?本当に?」
遠島基行「は…はい…自分の箱に本物を入れたのは確かなんですが」
高木渉「わかるのかい?」
コナン「うん、簡単だよ」
コナン「うん、簡単だよ」
コナン「だって、遠島さんが西津さんを殴った時、ほら」
コナン「よく考えて見てよ」

コナン「殴られた時に西津さんの目の前に、本物のお盆があったんなら、そのお盆が入ってた箱は、その時カラだったはずだよね?」

コナン「だから多分、箱の中の座布団の真ん中にも血が飛んでる」

コナン「蝶野さんが本物の堆黒盆の持ち主だと思うよ」

蝶野欽治「やった!」


コナン「殴られた時に西津さんの目の前に、本物のお盆があったんなら、そのお盆が入ってた箱は、その時カラだったはずだよね?」

コナン「だから多分、箱の中の座布団の真ん中にも血が飛んでる」

コナン「蝶野さんが本物の堆黒盆の持ち主だと思うよ」

蝶野欽治「やった!」

坂巻鈴江「あぁ…オーナーに何と報告すれば…」
阿笠博士「え?」
沖矢昴「答えはその箱に書いてありますから」
阿笠博士「この字が読めるのか?」

沖矢昴「ええ、"隠すより現る"」

沖矢昴「隠し事は隠そうとすればするほど、かえって人に知られてしまうものである、ということわざです。最後に"栗介"と書き記してあるのを踏まえると」

沖矢昴「おそらく、博士の伯父の栗介さんが、昔誤って割ってしまった小皿を接着剤で何とか修復したが、さすがにそのままではバレてしまうと思い」

沖矢昴「油絵の具で似たような色を皿全体に塗って、誤魔化そうとしたものの、バレて大目玉を食らってしまった」

沖矢昴「そこで栗介さんは、このことわざを書き込んだ箱に小皿を入れて、教訓にしたのではないかと…」

沖矢昴「小皿の塗料が一部剥がれていたのは」

沖矢昴「西津さんが画溶液で油絵の具をおとしたからでしょう」

沖矢昴「ええ、"隠すより現る"」

沖矢昴「隠し事は隠そうとすればするほど、かえって人に知られてしまうものである、ということわざです。最後に"栗介"と書き記してあるのを踏まえると」

沖矢昴「おそらく、博士の伯父の栗介さんが、昔誤って割ってしまった小皿を接着剤で何とか修復したが、さすがにそのままではバレてしまうと思い」

沖矢昴「油絵の具で似たような色を皿全体に塗って、誤魔化そうとしたものの、バレて大目玉を食らってしまった」

沖矢昴「そこで栗介さんは、このことわざを書き込んだ箱に小皿を入れて、教訓にしたのではないかと…」

沖矢昴「小皿の塗料が一部剥がれていたのは」

沖矢昴「西津さんが画溶液で油絵の具をおとしたからでしょう」
世良真純「にしても、"隠すより現る"か…」
沖矢昴「どうやら彼女にも探られたくない腹の内があるようだしな…」

コナン「あ、その事なんだけど」

沖矢昴「大丈夫、大体の予想はついている」

赤井秀一「(この目で見るまでは、とても信じられんがな…)」

コナン「(いや…違うんだ…世良と赤井さんの母親のメアリーさんが、APTX4869を飲んで)」

コナン「(今は中学生ぐらいに体が縮んでるってことを伝えたかったのは確かだけど…)」

コナン「(本当は確認したかったんだ)」

コナン「(メアリーさんの正体を)」

コナン「(あの頭脳と格闘術を兼ね備えたイギリス人。そして自ら"領域外の妹"と名乗った)」

コナン「(妹の英訳、シスターのつづりの"SISTER"から領域外の英訳、テリトリーの略称である"TER"を外すと"SIS")」

コナン「(つまり、シークレット インテリジェンス サービス)」

コナン「(MI6の名でも知られるイギリスの情報局秘密情報部のこと)」

コナン「(それを暗示する"領域外の妹"という名をわざわざ教えたってことは、俺を試しているのか?)」

コナン「あ、その事なんだけど」

沖矢昴「大丈夫、大体の予想はついている」

赤井秀一「(この目で見るまでは、とても信じられんがな…)」

コナン「(いや…違うんだ…世良と赤井さんの母親のメアリーさんが、APTX4869を飲んで)」
コナン「(今は中学生ぐらいに体が縮んでるってことを伝えたかったのは確かだけど…)」

コナン「(本当は確認したかったんだ)」

コナン「(メアリーさんの正体を)」

コナン「(あの頭脳と格闘術を兼ね備えたイギリス人。そして自ら"領域外の妹"と名乗った)」

コナン「(妹の英訳、シスターのつづりの"SISTER"から領域外の英訳、テリトリーの略称である"TER"を外すと"SIS")」

コナン「(つまり、シークレット インテリジェンス サービス)」

コナン「(MI6の名でも知られるイギリスの情報局秘密情報部のこと)」

コナン「(それを暗示する"領域外の妹"という名をわざわざ教えたってことは、俺を試しているのか?)」
メアリー世良「フィフティ フィフティ?」

メアリー世良「私の口癖?」

世良真純「うん、たまに言ってるじゃない?フィフティフィフティって」

メアリー世良「ああ」

メアリー世良「お前の父、務武さんの口癖だよ」

メアリー世良「そういえば、死んだ長男にも、その口癖が移っていたな」

メアリー世良「私の口癖?」

世良真純「うん、たまに言ってるじゃない?フィフティフィフティって」

メアリー世良「ああ」

メアリー世良「お前の父、務武さんの口癖だよ」

メアリー世良「そういえば、死んだ長男にも、その口癖が移っていたな」
メアリー世良「それより、例の薬はどうだ?手に入れられそうか?」

世良真純「ああ、今のところまだ何とも…なんが妙な邪魔が入ったし」

メアリー世良「妙な邪魔?」

世良真純「うん…例の博士の隣に住んでる大学院生で…」

メアリー世良「そんなに気になる人物なのか?」

世良真純「あん…まぁ…」

沖矢昴「フィフティフィフティだ」

世良真純「ああ、今のところまだ何とも…なんが妙な邪魔が入ったし」

メアリー世良「妙な邪魔?」

世良真純「うん…例の博士の隣に住んでる大学院生で…」

メアリー世良「そんなに気になる人物なのか?」

世良真純「あん…まぁ…」

沖矢昴「フィフティフィフティだ」










































































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