文スト55話 | 第5期5話『条野の異能力“千金の涙”』ネタバレ | Bungo Stray Dogs

BUNGO STRAY DOGS
原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri) TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第55話ネタバレ
第55話 空の港ニテ(其の一)
放送日	2023年8月9日
OPテーマ	鉄の檻 (歌 : GRANRODEO)
EDテーマ	軌跡 (歌 : ラックライフ)
CAST
中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 国木田独歩 Kunikida Doppo CV.細谷佳正 江戸川乱歩 Edogawa Ranpo CV.神谷浩史 福沢諭吉 Fukuzawa Yukichi CV.小山力也 泉鏡花 Izumi Kyoka CV.諸星すみれ 与謝野晶子 Yosano Akiko CV.嶋村侑 宮沢賢治 Miyazawa Kenji CV.花倉洸幸 谷崎潤一郎 Tanizaki Jun'ichirō CV.豊永利行 芥川龍之介 Akutagawa Ryunosuke CV.小野賢章 神威 KAMUI CV.大塚明夫 ブラム・ストーカー Bram Stoker 条野採菊 Jono Saigiku CV.梶裕貴 大倉燁子 Okura Teruko CV.小市眞琴 末広鉄腸 Suehiro Tetcho CV.阿座上洋平 幸田文 Koda Aya CV.寿美菜子

EPISODE GUIDE
← 前の話	次の話 →

TITLE CARD

EYECATCHER

ENDCARD

STORY

部下を命令通りに動かせる精神支配の異能兵器「大指令（ワンオーダー）」。そんな大戦で生まれた忌まわしき遺物が、地球上の軍隊すべてを傘下に置く「人類軍」を指揮する福地のもとに届けられるという。世界征服に王手をかけた「天人五衰」の目論みを阻止すべく、探偵社社員たちは空港へ向かった。だが、その空港に、たまたま居合わせていた不運な少女・文。文は猟犬たちが探偵社の話をしているのを耳にし、彼らと縁のある存在であることを条野に感づかれてしまう。

『我等再ビ探偵ノ舎ニテ』

中島敦「ここは…探偵社の事務所…でもどうして」

国木田独歩「驚く気持ちはわかる。窓の外を見てみろ」

中島敦「これって…」

江戸川乱歩「谷崎と賢治も戻り、手駒も揃った。会議をする為にポオ君に作らせた小説空間だ」

福沢諭吉「ではこれより探偵社全体会議を始める。まずは現況の確認からだ。乱歩」

江戸川乱歩「彼らの計画はついに最終段階に入った。感染性の吸血種をばら撒き、既に十六の国軍を陥落させた。吸血種となった軍隊は不気味に沈黙している。今の所はな」

谷崎潤一郎「その吸血種とは何です？」

江戸川乱歩「不死伯爵ブラムの異能力だ。噛んだ人間を己の配下、吸血種に変えて操る事ができる。噛まれた人間は更に他人へと感染を広げる」

福沢諭吉「ブラムはかつて存在した“人類を滅ぼす十の悲劇”の一柱。英雄福地桜痴に討たれ聖剣にて封印された。だがそれも計画の下準備であったのだろう」

江戸川乱歩「吸血種は容易に組織の中に紛れ込む。各国軍では誰が吸血種かわからず、疑心暗鬼の同士討ちまで始まっているらしい」

谷崎潤一郎「そうやって世界を混乱させる事が敵の目的なんでしょうか」

江戸川乱歩「いいや、それはさすがに無理だ」

江戸川乱歩「何しろ、この先には異能戦争の総本山、欧州列強が控えている。物量作戦に出れば半年程度で平和が戻るだろう」

江戸川乱歩「敵の真の狙いは…大指令(ワンオーダー)。封印された三大厄災の一つ。大戦が生んだ忌まわしき精神支配の異能兵器だ」

「封印指定物を帯出する。許可を」

「政府特別封印指定、声紋認証、許可」

「可燃性充填液、除去」

「腐食性充填液、除去」

「“スタンダード島条約”決議・第十八条に基づき」

「封印指定物、大指令(ワンオーダー) の帯出を許可します」

江戸川乱歩「ワンオーダーとは何か…兵士が戦場で敵を殺すのに弾丸を平均何発使うと思う？」

江戸川乱歩「五万だ。ほとんどの兵士は敵に向けて発砲すらしない。狙いを外して戦ってるフリをする。たとえ最前線でも銃で人を殺すという行為に人間は耐えられない。それが兵士。それが戦場だ」

神威〈福沢もお前もあの戦場を知らないから。“善なる国家”などという戯言を信じておられるのだ〉


江戸川乱歩「そこで開発されたのが、ワンオーダーだ」

福沢諭吉「その先は私が説明する」

福沢諭吉「ワンオーダーは私の異能力に似た兵器だ。己の部下に効果を及ぼす。その効果は“部下が必ず命令通りに動く”通信機」

福沢諭吉「異能技師が造ったこの通信機を指揮官が使う事により、命じられた部下は身体が上官の一部のように動き、自動的に命令を遂行する。疑問も罪悪感もそこにはない」

福沢諭吉「それは兵士を罪の軛より解放する、優しき兵器、の筈だった」

江戸川乱歩「この通信機は余りに危険すぎる為封印された。何故だかわかるか？」

江戸川乱歩「軍事クーデターだ。軍の最高司令官がワンオーダーを使った場合、国軍全体を一斉に操り国家転覆も可能。その事に気づいた政府は、この兵器を封印した」

谷崎潤一郎「つまり破壊はしなかったんですね」

江戸川乱歩「すべきだった。今回のような世界的危機を想定したんだろう。それ自体は慧眼だ。だが福地がこのワンオーダーを使用した場合、何が起こると思う？」

江戸川乱歩「福地の部下は地球上の軍隊凡てを傘下に収める。人類軍…福地がワンオーダーを使えば人類は一枚岩となり、吸血種に対抗できる」

江戸川乱歩「何もかも福地の筋書き通り。つまり天人五衰の目的は、あまりに陳腐で使い古された単語」

江戸川乱歩「世界征服」


江戸川乱歩「今から12時間後、福地がワンオーダーを受け取る。それを阻止できれば僕達の勝ちだ。その為の作戦を今から説明する」

江戸川乱歩「奴がワンオーダーを受け取る場所は空港だ」

幸田文「ほんまにもう！ウチのダメ親父！こんな空港に忘れモンしたら素麵に爪楊枝混ぜたるからな！」

📺「犯人は武装探偵社と思われます」


国木田独歩〈言っただろう。俺の目の前では誰も殺させない…とな〉

幸田文「(あんたがテロリストとかありえへん)」

条野採菊「邪魔です」


幸田文「ちょっとアンタ！」

幸田文「(あの制服…警察か！？)」

条野採菊「お待たせしました。それで？本当に探偵社はここに現れるのですか？」

幸田文「(探偵社！？)」

大倉燁子「お主！隊長の言を疑うのか？背信か！」

条野採菊「いやいや…単に疑問なのですよ」

条野採菊「ワンオーダーを日本に運ぶ為、十八の偽の輸送作戦が並行展開されているのですよ。この空港に来るのが本物だと探偵社如きがわかるでしょうか」

大倉燁子「わかると隊長は言った。“あの小僧ならば必ず推理する”とな」

条野採菊「となると面倒ですね。いっそ知人縁者を人質に探偵社を脅してみては？」


条野採菊「おやおや今の心音、君探偵社の知人縁者ですね？」

幸田文「ウチ何も悪い事してへんで！」

条野採菊「君が誰かは無関係です」

条野採菊「君を吊るして火で炙れば探偵社は無謀を承知で助けに現れる。違いますか？」

幸田文「ウチを助けに来るようなエエ人等を罠にかける言うんか！？」

条野採菊「私はどちらでもいいんですよ。探偵社が悪人であろうとなかろうと。私はただ法の名の下に人を傷つけ追いつめ破滅する音を聞きたいのです」

条野採菊「探偵社を庇うなら君も容疑者です。君も私の愉しみの一部になりますか？」

条野採菊「あ痛あ！」

末広鉄腸「そこまでだ。無辜な民を愉悦に使うな」

条野採菊「毎回いちいち尻を刺すな！大体私は容疑者に協力要請をしているだけです！」

末広鉄腸「では司法取引同意書の後にしろ。でなくば正義ではない」

条野採菊「ならいい加減決着をつけますか？どちらのやり方が正しいか」




神威「やめろ！」

大倉燁子「隊長～♡」

神威「すまんな。君達の笑顔は儂が守る」


神威「お前ら喧嘩する程ヒマなのか」

条野採菊「すみません」

神威「ヒトフタマルマルより作戦開始。暗号鍵の残量も再確認しておけ。条野」

条野採菊「はい」

神威「見せたい物がある。一緒に来い」

条野採菊「私に見せたいものとは何です？」

神威「これがお前に見せたいものだ」

神威「ブラム君、空港の制圧状況は？」

ブラム「既に警備の半数近くを吸血種に変えた」

条野採菊「何！」

神威「立原が騒いでおったろ？探偵社を嵌めた黒幕がいると」

神威「儂がその黒幕だ」

神威「条野、儂の仕事を手伝う気はないか？」

中島敦「この部屋の位置を気取られた様子はありません」

江戸川乱歩「作戦を確認するぞ。今から25分後、偽装旅客機に乗った欧州護衛官がワンオーダーを運んで来る。僕達はそれが福地に渡る前に強奪し破壊する」

江戸川乱歩「ワンオーダーを失えは計画は二週間は遅れる。それだけ時間があれば特務課が各国政府に福地の企みを暴露する刻が稼げる」

江戸川乱歩「つまり福地と戦うまでもなく僕達の勝ちだ」

中島敦「ですか敵もそれを阻止すべく動くのでは？」

江戸川乱歩「その通りだ。だからそれを逆手に取る」

神威「条野、お前は猟犬の中でも異質。部隊に己の信条を委ねず、猟犬をただの容器としか思わぬ逸れ犬。お前には天人五衰となる資格がある」

条野採菊「何ですって？」

神威「制圧した銀行強盗犯に自刃を迫ったそうだな？」

条野採菊〈ゲームをしましょう〉

条野採菊〈その軍刀を腹に刺し、先端が背中から抜けた人だけ見逃すゲーム〉

条野採菊〈逮捕されて死刑になるよりずっといいでしょう？〉

「うわああああああ」


条野採菊〈いい音ありがとう〉


神威「条野、お前は元は犯罪組織の幹部。その聴覚と異能を見込んで儂が勧誘した。凡ては今日の為に！」

条野採菊「はぁ…それで？私に何をさせたいのですか？」

神威「お前には探偵社の暗殺を頼みたい」

神威「今回のワンオーダー争奪戦には」

江戸川乱歩「一つ大きな抜け道がある」

中島敦「抜け道？」

江戸川乱歩「実はワンオーダーよりずっと簡単な破壊目標がある」

江戸川乱歩「ブラムを殺せばいい。吸血種に新たな指示を出す為、ブラムは必ず連れ込まねばならない」

江戸川乱歩「だがブラムはワンオーダーと違って猟犬の護衛がつかない。だから僕達はワンオーダーの受け渡しを阻止しつつ、ブラム殺害を真の目的とする」

神威「と、探偵社は考えておる頃だろう。連中はブラムを猟犬が警護するとは夢にも思わん」

条野採菊「つまり探偵社の当惑と絶望の音が聞けると？」

神威「そうだ」

条野採菊「ふふ…わかりました。天人五衰となる任、受けましょう」

神威「よいのか？」

条野採菊「最初からこの日の為に勧誘したとまで言われてはね」


神威「よし、探偵社を狙う地点は既に決めてある。来い」


条野採菊〈腹を刺す覚悟のない人間が強盗などしなければいいのです〉

〈ありがとうございます。人質にされてこのまま死ぬものと…警察の御方…この御恩は一生忘れません…決して〉

神威「何故だ条野」

条野採菊「これは貴方のミスです隊長。貴方は私に教えてしまった」

条野採菊「無辜なる民を守る事。その愉悦。それに較べれば、誰かの悲鳴など無音に等しい」

神威「そうか…お前も儂を裏切るか」

神威「神刀・雨御前」

神威「残念だ条野。お前も儂の試練なら乗り越えるまで！」

神威「(条野の異能力…粒子化)」

条野採菊「ここでの出来事は副長と鐵腸さんに報告します。ここまで証拠が揃っているなら、私の証言でも信じるでしょう。貴方は終わりです。さよなら隊長」

条野採菊「(何だこれは！)」

条野採菊「(扉の隙間から出られない！)」

芥川龍之介「空間断絶」

神威「部下に裏切られ吸血種に助けられるとはな」

神威「さて条野、覚悟はよいか」

条野採菊「(臆するな。何も問題ない。雨御前は強いが粒子には効かない)」

条野採菊「(扉が駄目なら空調導管から逃げるだけ)」

条野採菊「何だ？」

神威「条野、お前は強い。そんなお前に手の内を明かす当たり儂が何の対策も構えておらんと思うたか？」

条野採菊「炎の剣！燃料は隊長愛飲の酒か！」

神威「お前の能力は細かい塵になる事。そして塵は集めて焼くものだ！」

神威「複数の未来からお前に向けて剣を突き刺した」

神威「終わりだ条野」

条野採菊「…確かに私は終わりのようですね…だが貴方は…貴方は気づいてすらいない」

条野採菊「これから貴方に降りかかるであろう苦しみに…それがとても愉快…」

神威「お前らしい今際の際だな条野」

神威「連れていけ」


条野採菊「(隊長、貴方は一つ勘違いをしている)」


条野採菊「(あの時、立原から嘘の心音が聞こえた。しかし確信を持てる程ではなかった)」

条野採菊「(だから私は万一を考えここに来る時、保険をかけておいた)」

幸田文「(何や今の話…吸血種の親玉！？)」

幸田文「(ウチはただこのメモを読んで…)」


『探偵社ノ無実ヲ信ズル者 何者ニモ気付カレズ私の歩ヲ尾行セヨ』

幸田文「(よう見えんかったけど警察が警察に斬られてしかもその一方が…)」

幸田文「(やっぱり探偵社は無実やった。今聞いた話、世界中に広めたる)」

幸田文「(しもた！フラッシュ！)」


神威「(条野の仲間か…誰であろうと関係ない。この部屋に隠れて撮影するなら確実に敵だ)」

幸田文「(逃げる？無理や！)」

幸田文「(この部屋には出口がない！)」



幸田文「(危っぶな！あっちに隠れとったら死んどった)」

幸田文「(あいつが窓を破ると同時に入れ替わりで部屋を出たけど…幸運はこれで最後や)」

幸田文「(アカン！戻ってくる！どうしよう…)」

幸田文「(待て…あそこなら隠れられるんとちゃうか？)」


神威「居ない？」

神威「バカな…何処へ消えた！」

EDテーマ『軌跡』

 

BUNGO STRAY DOGS
アニメエピソード	キャラクター	主題歌
コミックス	文スト わん!	DEAD APPLE
OVA	第1期	第2期
第3期	第4期	第5期
文豪ストレイドッグス 記事一覧