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Detective Conan | |
原作(Original Story): 青山剛昌(Gosho Aoyama) 名探偵コナン 第1101話ネタバレ | |
第1101話 | |
サブタイトル | 捜索 |
サンデー | 2022年45号 |
配信日 | 2022年10月5日 |
単行本 | 第103巻 |
登場人物 | 江戸川コナン 毛利蘭 鈴木園子 怪盗キッド 中森銀三 安室透 榎本梓 鈴木次郎吉 安堂芹亜 中條近与 狩野文嗣 |
場所 | 銀座・鈴木ビル 喫茶ポアロ |
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『錦座・鈴木ビル』 鈴木次郎吉「本当に王冠を…」 中森銀三「消しやがった!?」 コナン「だまされちゃダメ!王冠が展示ケースから1ミリ―でも離れると警報が鳴るんだよね!?それが鳴ってないってことは王冠はまだあそこにあるんだよ。多分、王冠を隠すように黒い紙を貼ったか、黒い布を被せたか」 キッド「黒い紙?黒い布?そんな物一体どこに?」 キッド「では、お宝はこの世から消えてしまったようなので手ブラで帰ろうと思います。手ブラなので追跡しないように」 中森銀三「くそっ、やっぱり停電させやがったか」 鈴木次郎吉「この展示場の配電設備の管理は万全じゃなかったのか?」 安堂芹亜「は…はい…ですが、唯一の出入口である風神の路さえ可動していれば盗まれる事はないと…室内の照明の管理は少々疎かになっていたのかもしれません」 『安堂芹亜(36) 展示場主任』 中森銀三「だから照明の管理もワシら警察に任せりゃよかったんだよ。現に、王冠が消えたのに警報が鳴ってねぇし…そのなんちゃらロードのシステムもキッドに止められたんじゃねーのか!?」 安堂芹亜「そんなハズは…」 毛利蘭「でもずーっと風は来てましたよ?音もしてましたし…ねぇ?」 鈴木園子「うん、停電してた時もこの通路の向こうは明るかったし」 (無線)中森銀三「おい、そうなのか?」 (無線)隊員「はい、こちらの照明に異常はありませんでした」 (無線)コナン「ねぇ、その出入口から出た人いる?」 (無線)隊員「いないけど」 鈴木次郎吉「なるほど、王冠が消えた謎も警報が鳴らぬ謎もわからんが、一つだけはっきりわかっておることがある。怪盗キッドはまだこの展示場内にいるということじゃ」 中森銀三「じゃあ簡単だ。全員の顔を引っ張れば」 中條近与「それは勘弁してほしいのォ。ここへ来た時も引っ張られたというのにまたかえ?さすがにこの老婆にはキツいわい」 『中條近与(71) 宝石鑑定士』 中森銀三「さてはアンタ、キッドだな?」 狩野文嗣「俺も婆さんに賛成だぜ。鼻を少々プチ整形してるんでね。入れたシリコンがズレたら洒落にならねぇし…それにキッドはシルクハットを被ってたじゃねぇか。あんな物そうそう隠せるとは思えねぇけど」 『狩野文嗣(43) 古美術鑑定士』 コナン「あれは多分、オペラハットっていう折りたたんで平らになるシルクハットだよ。まあキッドならもっと平らになるように改良してると思うけど、オペラハットなら体のどこにでも隠せるんじゃない?」 安堂芹亜「でも王冠はそうはいきませんよね?隠すとしたら太腿にハメるぐらいですが、触ればその感触ですぐにわかりますわ」 鈴木次郎吉「つまり、彼奴が盗んだ王冠“海の魔女の水飛沫”を現在、肌身離さず持っている輩がキッドじゃから、変装を解かずとも体を調べればわかるということじゃな?」 安堂芹亜「その通りです、鈴木相談役」 中森銀三「よーし、野郎は野郎同士、女は女同士でボディーチェックだ」 中森銀三「無かった!?誰も隠し持ってなかったっていうのか!?」 隊員「はい。女性はもちろん機動隊員も装備を全て外して調べたんですが誰も…」 中森銀三「(…となるとやはり…展示ケースから王冠がなくなったのに警報が鳴らないのは…どー考えてもおかしい。何かある…展示ケースの中に絶対何か仕掛けが…)」 狩野文嗣「あのよォ…ずっと言おうか言うまいか迷ってたんだが、この安堂って主任さん、今日最初に会った時と服が違ってるぜ?」 中森銀三「そういえば、もっと薄い色のジャケットだったような…どうやらボロを出しちまったようだな怪盗キッド」 安堂芹亜「これは着替えたんです」 中森銀三「何で?」 安堂芹亜「汚れたからですよ。夕方、鑑定士の中條さんと狩野さんがここに到着されたので鑑定までの段取りと…一応、風神の路の説明をしておこうと思っていた所に、喫茶店から夕食用のデリバリーが届き、二人の鑑定士さんに“食べながら話しませんか?”とお誘いしたんです。隊員たちと控え室で食べながら部外者に話を聞かれる心配がなくなると思って…そしてフライドポテトにケチャップをかけようとした時に突然ケチャップが吹き出したんです。両隣にいた二人の鑑定士さんや後ろにいた喫茶店の店員さんにもかかるぐらいにね。だから一階下にある主任室に降りて予備のこのジャケットに着替えたんですよ」 狩野文嗣「なんだ、そうだったのかよ」 中森銀三「ってことはケチャップがかかったのは本当だな?」 狩野文嗣「ああ、俺の服にもかかったよ。でも俺は着替えの服なんて持ってきてねぇから、トイレの水でケチャップを目立たない程度に洗い流したよ。お陰で乾くまで時間がかかっちまったけど」 中森銀三「じゃあ、アンタもトイレでケチャップを洗い流したのか?」 中條近与「そうじゃ。まあ私の場合は目が悪くて飛んだケチャップの場所を探すのに時間が取られたんじゃがねぇ」 コナン「(なるほど、だから鑑定するのが遅れたってわけか)」 中森銀三「しかし、何で急にケチャップが…」 鈴木次郎吉「多分、対キッドで緊張して思わず強く握ってしまったんじゃろう」 安堂芹亜「はい…そうだったかもしれません」 コナン「(いや重曹だ。キッドは重曹をケチャップに混ぜたんだ。ケチャップに含まれるクエン酸や酢に重曹を反応させて二酸化炭素を発生させケチャップを容器内で膨張させてフタを開けたら噴射するように…その証拠に梓さんの服の肩口に付いてたケチャップの色は薄かった。重曹を混ぜるとケチャップは白っぽくなるから…恐らく機動隊員の一人に変装したキッドが自分が使い終えたケチャップを渡したんだだろう。重曹とケチャップが反応するようによく振って…となると怪しいのは…)」 『喫茶ポアロ』 榎本梓「ええっ!?ケチャップがかかった人の中に怪盗キッドがいる!?」 安室透「ええ、恐らくキッドは重曹を混ぜたケチャップを飛び散らせて服を汚し、その人が着替えたり汚れを落とそうと向かった先で眠らせてスリ替わったんでしょうから。でも僕が帰った後でそんなことがあったなんて、どーりで梓さんの帰りが遅かったわけだ」 榎本梓「床に飛び散ったケチャップを拭いてたので…じゃあキッドが化けたのはケチャップを受け取った安堂さんですか?」 安室透「そうとは限りませんよ。安堂さんの両隣に二人の鑑定士さんがいたのなら、その二人もキッド候補です。ケチャップがかかりさえすればいいわけですから」 榎本梓「でもそれでうまくかからなかったら?」 安室透「その場合は飛び散ったケチャップを拭き取るフリをしてよろけて目的の人物に付けるとか、臨機応変に考えていたんでしょ?」 榎本梓「でもでも私あの時もしかしたらこの中にキッド様がいて何かするかもって、しばらく隊員さんたちの食べる様子を見てたけど、懐から何か出してケチャップに入れた人なんていませんでしたよ?ケチャップの容器もウチのでしたし」 安室透「ああ多分それはマジシャンがよく使うサムチップっていう、親指のカバーに予め重曹を入れ親指にはめてたんじゃないですか?それならいつでも外してこっそり入れられますから。重曹はどこにでも売ってますのでサンドイッチをデリバリーすると知った後でも十分に用意できます。サンドイッチにポテトは付き物ですしね」 榎本梓「このこと警部さんに伝えた方がいいんじゃないですか?」 安室透「わざわざそんな…」 榎本梓「私、行ってきます。丁度ポットの回収もしなきゃいけませんし」 安室透「あ、ちょっ…(わざわざ行かなくてもこの程度の推理、彼ならもう…)」 『鈴木ビル』 安堂芹亜「私もこれ言うべきかどうか迷ったんですが、狩野さん、あなた最初に会った時より足が少々長くなってませんか?」 狩野文嗣「俺は元々こんくらい長ぇんだよ」 安堂芹亜「中條さん、あなたにも…最初に会った時とニット帽の柄が少し違うような」 中條近与「これはリバーシブルじゃ。付いたケチャップのシミがホレ、なかなか落ちなくてのォ、それを隠すように裏返して被っておったんじゃよ」 狩野文嗣「頭にケチャップが付きそうだな」 中條近与「ちゃんと拭いたから大丈夫じゃわい」 コナン「(なるほど、その手があったか!王冠が消えたトリックも誰がキッドかもわかったけど…わからねぇ…この状況でキッドはどうやって王冠を持ち去る気なんだ!?一体どんな手で…)」 | |
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