文スト23話 | 第2期11話『太宰さんから話があるそうだ』ネタバレ | Bungo Stray Dogs

Bungo Stray Dogs

原作(Original Story): 朝霧カフカ(Kafka Asagiri) TVアニメ『文豪ストレイドッグス』 第23話ネタバレ

第23話 羅生門と虎と最後の大君
放送日	2016年12月9日
OPテーマ	Reason Living (歌 : GRANRODEO)
EDテーマ	風が吹く街 (歌 : ラックライフ)
CAST
中島敦 Nakajima Atsushi CV.上村祐翔 太宰治 Dazai Osamu CV.宮野真守 芥川龍之介 Akutagawa Ryunosuke CV.小野賢章 フランシス Francis F. CV.櫻井孝宏
TITLE CARD

EPISODE GUIDE
← 前の話	次の話 →

芥川龍之介「曲芸の腕は上げたようだな、人虎」

中島敦「何をしに来た、芥川」

芥川龍之介「貴様を殺しに！」

中島敦「今がどんな時かわかっているハズだ！僕達の居場所が無くなるかもしれないんだぞ！僕にはお前が微塵も理解できない」

芥川龍之介「理解を求めた憶えはない」

太宰治「やれやれ、芥川君の独走癖は相変わらずだなあ…仕方ない」

太宰治「敦君、彼にかかずらっている暇はない。先に進もう」

中島敦「ですが…」

太宰治「私の言う通りにすれば逃げられるよ」

中島敦「わかりました」

中島敦「芥川、このインカムは太宰さんと繋がっている。話があるそうだ」

中島敦「えいッ！」

芥川龍之介「太宰さあああん！」

フランシス「元気にしてたかい？」

フランシス「聞いたぞ。またシェフを解雇したのか？せかっく欧州の最高級レストランから…いや責めてなんかいないさ、本当だ」

フランシス「君のクリームチーズ嫌いを知らない料理人なんて、世界から滅びればいい。そう…あの子はまだロンドンに留学中だ」

フランシス「勿論あの子のことも、一秒だって忘れやしないさ。悪いが客人のようだ。また電話する。愛してるよ、ゼルダ」

フランシス「短い別れだったな少年」

フランシス「探し物は、これか?」

中島敦「あなたが制御端末を守るガード？」

フランシス「俺がここまで登り詰めた成功の秘訣その一だ。仕事で一番大事な部分は他人任せにしない」

フランシス「ところでこのモビーディックの重量を知っているか？総重量2万9千トン。上空2kmから落すれば、TNT爆弾140トン相当のエネルギーが市内のど真ん中で炸裂する」

中島敦「そんな非道、絶対許されない」

フランシス「秘訣その二、他人の価値観に流されるな」

フランシス「とはいえ君も俺も忙しい。その制御端末を奪い合うならシンプルにいこう」

フランシス「3つ数えたら同時に走り、先に端末を手にした方が勝者。君が勝てばモビーディックは好きに動かせる。だが俺が勝てば、君は俺に服従し、探し物を手伝ってもらう」

フランシス「１…２…」

中島敦「(ギルドの口約束なんて信用できない！裏をかいて合図より前に奪いそのまま逃げる！)」

中島敦「ぐあっ！」

フランシス「３」

フランシス「秘訣その三、チャンスを与えられた人間の行動は読みやすい」

フランシス「これは俺が所有する有価証券の一部だ。10万ドルある。俺の異能力、紹介がまだだったな」

フランシス「異能力！華麗なるフィッツジェラルド！」

フランシス「俺の異能力は、消費した金額に比例して身体能力を強化させる」


フランシス「誇っていいぞ少年。10万も使うのは久しぶりだ。もっともゼルダなら一月で消し飛ばす額だがな」

フランシス「これですべて予定通りだ。モビーディックの落下も君の捕獲もな」

中島敦「ぐああッ！」

フランシス「さて、捕らえたはいいがまた逃げられたら面倒だ。念の為手足を外しておくか」

フランシス「おや、珍しい客人だ。ミスター、アグラ…アーグラーグァ？」

芥川龍之介「芥川」

フランシス「それだ」

太宰治「やぁ鏡花ちゃん、聞こえるかい？太宰だ」

太宰治「特務課と交渉してね、とりあえず君を地上に降ろせる事になった。その無人機の操縦方法を教えるよ」

泉鏡花「もういい」

太宰治「本当の事を言うとね、探偵社には君を救助する理由がないのだよ。なぜなら君はまだ正式な社員ではないからだ。探偵社には入社試験があり、君はまだそれをパスしていない。探偵社員として、見知らぬ人でも助ける心と強さを持っているか試す試験だ」

太宰治「……気に入らないな。元殺し屋に善人になる資格はない」

太宰治「君は本気でそう思っているのか？」

フランシス「やぁミスター芥川！歓迎したいのは山々だが…」

芥川龍之介「誰の許可で床に転がってる。今度は逃がさぬ。立って戦え！」

中島敦「(最悪の状況だ)」

芥川龍之介「先刻貴様は、やつがれが理解できぬと言ったな？やつがれからすれば、貴様こそ理解できぬ！その臆病な目は、己の力も異能力も信じてない」

芥川龍之介「なのにいつも無謀に死闘に挑む。その矛盾した自尊はどこからくる！」

中島敦「ぐわぁッ」

フランシス「その辺にしておけリトルガイ。そうでなくても俺は無視されるのが」

芥川龍之介「黙れ。やつがれのメインは人虎だ」

芥川龍之介「デザートはそこで大人しくしていろ」

フランシス「俺は二番手が嫌いでな。序列の変更を要求する

芥川龍之介「いいだろう！」

フランシス「頑張る君に、成功の秘訣“その四”を教えてやる」

芥川龍之介「いらぬッ！」

芥川龍之介「羅生門！黒波濤！」

フランシス「50万ドル」


フランシス「成功の秘訣その四だ。ただ強者たれ」

フランシス「金と権力…異能力に地位、強さの種類は一つではないが…まあ俺のようにすべて持つのが無難だな」

中島敦「何が強者だ！」

中島敦「金や異能力は地上の街を吹っ飛ばす為にあるんじゃない！人の強さは、悲しみの淵で藻掻く人に差し伸べる為にあるんだ！」

フランシス「いかにもな誤解だな」

中島敦「ぐあっ！」

フランシス「力は弱者を助ける為にあるのではない。なぜなら金儲けの本質は、弱者からの搾取だからだ。それで得た金を弱者を助ける為に使っても、ドアをスイングするのと同じ反復行為だ。力はもっと有意義なことに使わねばならん」

中島敦「その為に踏みつぶされる命は…見ないふりか？」

フランシス「踏みつぶされる弱者というのは、例えば昔の君のような？」

フランシス「君の過去は調べた」

フランシス「君は幼少時代に2度殺されかけているね」

フランシス「孤児院の院長に」

院長〈実の両親が赤子の貴様にした事に比べれば、この程度暴力の内にも入らん！〉

フランシス「落下コースに入ったか…激突まであと十数分だな」

芥川龍之介「ふふ…理解した」


フランシス「待て！」

フランシス「逃げただと！？」

中島敦「ぐあッ！」

芥川龍之介「先刻、貴様を理解できぬと言ったセリフ、取り消そう」

芥川龍之介「理解した。人虎、貴様はいつも誰かから生きる許可をもらう為に戦っている。自らの命すら擲って！実に不快だ」

中島敦「ぐああああ！」

芥川龍之介「本気で思うのか？人虎…許可を出す誰かがいると」

芥川龍之介「他者の為血を吐き戦えば、誰かが“生きる価値あり”と書かれた判を押してくれると思ったか！」
中島敦「そう思う事の何が悪い」

芥川龍之介「とんだ期待外れだ！」

芥川龍之介「貴様がこれ程までに愚かとは…これでは例え貴様を100回殺そうと、なんの戦果にもならん」

中島敦「戦果だと？」

芥川龍之介「然り！戦果なき限り、あの人はやつがれを認めぬ」

芥川龍之介「太宰さんは決して…」

中島敦「太宰さん？何でそこで太宰さんの名前が出るんだ？」

フランシス「見つけたぞ、ストレイドッグス」

太宰治「いいか鏡花ちゃん、君は探偵社のすべてを知らない。自分自身のすべても知らない。すべてを知る事は誰にもできない。それを可能性というんだ」

太宰治「君にチャンスをくれた敦君だって、元は災害指定猛獣だ。でも今、彼は彼にしかできない事を命懸けでやっている。この街を守る為にね」

中島敦「あれだ！貨物用のエレベーター！」

中島敦「あんな桁外れの異能力に勝てるわけない…隙を見て端末を奪う方法を考えないと…」

芥川龍之介「ふふ…相変わらず愚かな奴だ」

中島敦「何！？」

芥川龍之介「この箱の行き先は、逃げ場無き甲板搬入口。袋小路に追い込まれたのはやつがれらの方だ」

中島敦「そんな…」

芥川龍之介「フン…この程度の輩に一度は敗れたとは、屈辱の極みだ。しかも生きて良い理由を他者に求めるようなくだらない輩に」

中島敦「確かに僕はくだらない。でもお前みたいに力を誇示したいだけの殺人鬼より100倍マシだ！力も地位も十分あるのに、ただ皆に怖がられたいから戦うなんて、その方が余程くだらな…」

芥川龍之介「取り消せ！やつがれに力も地位もあるだと？」

芥川龍之介「貴様を不快だと言った理由を教えてやる！それは貴様が全てを持っていながら！その事に気付きもせず、己の古傷に甘え続ける愚か者だからだ！」

芥川龍之介「異能力に恵まれ！出会いに恵まれ！努力もせずただ運だけで太宰さんに認め称えられながら！」

芥川龍之介「貴様はその幸福にも気づかず！己の悲劇にばかり浸る愚物だからだ！」

中島敦「太宰さんて…まさかお前ずっと…」

フランシス「鬼ごっこはそろそろ終わりにしよう」

フランシス「あと10分足らずで白鯨の高度は復行限界を下回る。それが過ぎれば、この端末でも街への落下を防げない」

フランシス「生き残るのは、異能力で身体強化した俺だけだ」

芥川龍之介「成金背広、貴様程の強者を倒せばやつがれも弱者ではなくなるか？」

フランシス「保証しよう」

芥川龍之介「ならばこの身が幾つ砕けようとも惜しくはない」

芥川龍之介「羅生門！」

芥川龍之介「天魔纏鎧(てんまてんがい)」

フランシス「(異能力で体を強制操作しているのか！？)」

中島敦「(芥川はあんなに強いのに、自分の事を弱者だと思ってる)」

中島敦「(だとしたら言語道断だ！その身勝手で何人死んだと思ってる！)」

中島敦「(虎よ、もう一度僕に力を…)」

中島敦「(あの時のように…)」




芥川龍之介「邪魔するな人虎！」

中島敦「お前こそ、邪魔をするな」

中島敦「何が太宰さんだ！お前の方がくだらない！」
芥川龍之介「笑止！やつがれより貴様の方がくだらぬ！」

フランシス「面白い。君達は実に似た者同士だ」

中島敦「こんな奴と」

芥川龍之介「一緒に」

敦・芥川「するなァァァーーッ！」

芥川龍之介「ぐっ…黒布に鎧と外筋の役を担わせるこの技…脆弱な肉体が持たぬ」

中島敦「休憩か？芥川」

芥川龍之介「黙れ！次は貴様だ！」

フランシス「タイガービートル、教えてくれ。この世界で全てを犠牲にする価値のあるものが家族以外に存在すると思うか？俺は本を手に入れる。そして娘をこの世に呼び戻す」

フランシス「妻ゼルダは、娘の死を受け止められず心を病み、娘はロンドンに留学中という妄想の中に今も逃げ込んでいる」

フランシス「俺はその妄想を現実にし、家族を取り戻す。どんな犠牲を払っても！処分可能な俺の資産」

フランシス「その全てを支払う！」

中島敦「これが…ギルドの長の覚悟…」

中島敦「芥川」

芥川龍之介「何だ」

中島敦「僕は…愚かか？あの記憶から逃げたいと思う事はくだらないか？」

芥川龍之介「ああくだらぬ。何故なら苦しめる過去の言葉と貴様は、本質的に無関係だからだ」

中島敦「そうか…太宰さんはとっくにお前を認めると思うぞ」

中島敦「月下獣！半人半虎！」

芥川龍之介「羅生門！天魔纏鎧！」

 

BUNGO STRAY DOGS
アニメエピソード	コミックス	主題歌
武装探偵社	ポートマフィア	異能特務課
死の家の鼠	フョードル・D	組合(ギルド)
天人五衰	猟犬	ムルソー
白紙の本	天空カジノ	DEAD APPLE
第2期	第3期	第4期
文スト わん!	文豪ストレイドッグス投稿一覧