名探偵コナン | 第993話『代役・京極真(前編)』ネタバレ | Detective Conan

Detective Conan

🖊原作者(Original Story):青山剛昌(Gosho Aoyama)

TVアニメ『名探偵コナン』 第993話ネタバレ

第993話 代役・京極真(前編)

毛利蘭「面白かった！ヒーロー軍団アゼンジャーズ 評判通りだったね～」

鈴木園子「うん。まぁ日本から仮面ヤイバーが仲間に加わった理由にはこっちが唖然としちゃったけどね」

世良真純「確かに！日本の観客動員数を増やしたいからだったもんな」

鈴木園子「まぁ あの映画がリアルなら真さんなんか真っ先にスカウトされそうだけどね」

京極真「き…恐縮です」

鈴木園子「そう考えるともったいないわね」

毛利蘭「え？」

鈴木園子「だって関東一強い空手女子と」

鈴木園子「その彼女と互角の腕を持つジークンドーのボクっ子と」

鈴木園子「400戦無敗の貴公子が揃ってるのに」

鈴木園子「ただ映画観てぶらぶら街を歩いてるだけなんでさぁ」

毛利蘭「いいじゃない～平和で」

コナン「マンガじゃあるめェしそんな都合よく事件なんて」

「うわああああっ！！」

「近づくな！この女の脳天ぶち抜くぞ！」

「今から言う三つの要求に従ってもらうぜ」



京極真「大丈夫ですか？」

「カーーーーット」

京極真「え？」

鈴木園子「真さーーん！！」


富岡茂松「ちょっと！何やってんの！あんた！！」




京極真「すみません。女性に危険が及んでいると思い…」

コナン「(まぁ さっきまでそういう映画観てたしな)」

吠木曜太「はぁ…ダメっすね。完全に気を失ってます」

尾取大策「お前がギャラリーちゃんと見張ってねぇからだろ！」

吠木曜太「すみません。まさか車道の向こうから跳んでくる奴がいるなんて」

富岡茂松「おいおい、勘弁しろよ～アイツまだ撮りが残ってんだぞ。誰か代役できるヤツはいるか？」

＜監督 富岡茂松(50)＞

尾取大策「ほとんどフルフェースのヘルメットを被ってる役なのでそれゃ誰でもいけます。セリフはアフレコでいくとして…ただ…アクションができる役者を今から探すとなると…ちょっと骨ですかね」

＜助監督 尾取大策(48)＞

富岡茂松「よく見てるといい体してるね君…ひょっとして何かやってた？」

京極真「は…空手の心得は少々」

富岡茂松「はぁ～そう～え～ふん～」

富岡茂松「よーい！アクション！！」

鈴木園子「真さんすごい！！」

富岡茂松「いいね！いいね！」

徳園彩也「へぇ～彼が例の代役か？」


徳園彩也「結構動けんじゃない～俺のスタントもやって欲しいくらいだ」

＜俳優 徳園彩也(34)＞

徳園彩也「奈々子も昔はあれくらい動けたんだけどな」

神明奈々子「それ新人の頃でしょ？今はもう無理。爪が割れたらイヤだし」

＜女優 神明奈々子(29)＞

徳園彩也「そっか！もう若手じゃなく中堅だもんな」

神明奈々子「おばさんみたいに言わないでよ！まだ20代なんだから！」

徳園彩也「それは失礼。実はそんな有名女優さんにサインを頼みたいんだ。甥っ子がファンでね」

神明奈々子「え？あぁ…まぁ…いいわよ」

神明奈々子「宛名は？」

神明奈々子「痛っ！！何よこれ！？」

徳園彩也「あはははっ！ジョークグッズだよ。ペンのボタンを押すと電気が走るんだ」

神明奈々子「くっっだらない！！さてはメイクの椅子にブーブークッション仕掛けたのもあなたね！」

徳園彩也「ああ、あんなもの置きっぱなしにした仕返しだよ」

神明奈々子「あんなものって何よ？」

油井英香「あの…もしかしたらつけまつげのことかも…二つをくっつけるとムカデみたいに見えますから」

＜メイク 油井英香(26)＞

神明奈々子「ただの見間違いじゃない？」

徳園彩也「気を配れっての。俺が嫌いなの知ってるくせに！！」
神明奈々子「大体！虫が怖いとか情けなくない？男のくせに」

徳園彩也「あ～不適切発言頂きました～有名女優なのに意識低っ」

神明奈々子「腹立つ！！」


尾取大策「しかし彼マジでいいっすね～殺陣(たて)覚えるの早いし」

富岡茂松「ああ、元はと言えばアイツが早とちりしたせいなんだが…いやいや実はとんでもねぇ原石掘り当てちゃってたとか」

徳園彩也「でも所詮筋肉バカ。役者は顔っすから」

京極真「フゥー」

徳園彩也「うっ」

神明奈々子「ちょっとなに～！チョーイケメンじゃない！？」


富岡茂松「新しい刑事役にスカウトしようかなぁ～君の刑事役もそろそろ殉職してもいい頃だし」

徳園彩也「それはないっすよ監督」

世良真純「でもあれくらいの殺陣ならホクらにもできるよな？」

毛利蘭「そうだね」

富岡茂松「え？君達もアクションできるの？」

毛利蘭「えぇ…まあ…」

世良真純「一般人よりはな」

富岡茂松「じゃあ君達のどちらかに神明ちゃんのスタントを」

神明奈々子「監督！私スタント無しでやりますから！いえやらせてください！！」

富岡茂松「えぇ？そうなの？」

鈴木園子「えぇ？刑事役にスカウトされた？」

京極真「あ…はい…そんな暇はないと言ったんですが」

鈴木園子「いいじゃんいいじゃん！やってみれば」

世良真純 「なぁ、これってどんなドラマだ？」

毛利蘭「刑事48っていう今いろんな意味で話題な刑事ドラマよ」

コナン「(あぁ…刑事が48人もいて覚えられねぇヤツか。一人ぐらい入れ替わっても大丈夫ってわけね)」

鈴木園子「ってことは…私ゆくゆくはアクションスターのワイフってことになるんじゃないの？」

徳園彩也「ふっ！ほざいてろよ金目当ての小娘が」


京極真「今の言葉、聞き捨てなりませんが」

徳園彩也「ああ！」
京極真「取り消してください」

鈴木園子「いいのいいの真さん～」

京極真「いや…しかし」

鈴木園子「デビュー前に揉め事は厳禁ね～フフフッ」

徳園彩也「オーイ！！釘が落ちてんぞ」

吠木曜太「あぁ～すみません。さっきそこで大道具さんが工具箱をひっくり返しちゃって」

＜アシスタントディレクター吠木曜太(26)＞

徳園彩也「じゃあ、ちゃんと拾っとけよ！俺が踏んで怪我したらどうすんだ！！」

吠木曜太「す…すみません」

徳園彩也「そうやって気ぃ抜いてっからこの前のADは事故って死んじまったんだろうが！！」



徳園彩也「俺ら役者はお前らADと違って替えがきかねぇんだからな！気ぃつけろよ！！」

コナン「(この前のAD？)」

富岡茂松「じゃあ、このシーンで最後だから頑張って」

京極真「はい」

富岡茂松「それと新しい刑事役の話考えといてね」

京極真「あ…はぁ…」

吠木曜太「じゃあ、後で命綱の説明をしますから4階に上がっててください」

京極真「わかりました」

京極真「園子さんすいません。これお願いします」

鈴木園子「はい真さん。しっかり」

富岡茂松「てか…徳園ちゃんはどうしたのよ？」

油井英香「徳園さんならスマホ探してましたよ。なんか本命のスマホが見当たらないって」

富岡茂松「油井ちゃん今年の花粉は長引くね～」

尾取大策「まぁ…とかなんとか言って先に上がってそのスマホで本命の女と電話してるんじゃないですか」

神明奈々子「でも本当に探してるかもね。あの人、女ごとにスマホ使い分けてるくせによく置き忘れるから」

尾取大策「あっ "経験者は語る" ってやつですか？」

神明奈々子「違うわよ！私はあの人とは別に…あの…その…いいでしょ！そんなこと！」

吠木曜太「そういえば先僕も聞かれました。俺のスマホしらねぇかって」

富岡茂松「ったく！もうすぐ本番だってのに」

富岡茂松「つか神明ちゃん何で息切らしてんの？」

神明奈々子「何でって！さっき犯人との格闘シーンとってたじゃないですか」

富岡茂松「あれって君だったの？スタントじゃなくて？」

神明奈々子「はあ！そう言ってたでしょう！っていうか何言ってるの？」

富岡茂松「あははは！ジョークジョーク」

油井英香「あんまり大声を出すと傷のメイク崩れちゃいますよ」

神明奈々子「分かってるわよ」

スタッフ「監督！カメラのアングルこんな感じでいいっすかね？」

富岡茂松「うん。いいんじゃねぇの？迫力あって」

徳園彩也「あわあああああ！！」

京極真「あの…どうかされましたか？」

鈴木園子「真さん…」

高木刑事「亡くなったのは俳優の徳園彩也さん34歳」

高木刑事「テレビドラマの撮影スタッフがここで次のシーンを撮る準備をしている最中に4階に上がっていた徳園さんが "うわっ" という叫び声と共に落下し、地面に叩きつけられて亡くなったそうです」

目暮警部「なるほど。それでその時彼と同じ４階にいたのが京極真君。君だけだったと」

京極真「はい」

鈴木園子「まさか真さんを疑ってんの！？何で！！」

コナン「ねえ、本当に他に誰もいなかったの？」

京極真「ああ。自分が一人でアクションのイメトレしているところに徳園さんが入ってきたんだ」

世良真純 「その時、何か気付いたことはあるか？」

京極真「そういえば徳園さんは自分のスマホを探すと言ってもう一台で電話をかけていました」

京極真「でも…その呼び出し音とは別に妙な音がしたような…その後叫び声がして振り返ったら姿がなくて」

コナン「妙な音？」

世良真純「転落直前に音がした…」

目暮警部「みなさんは何か音のするようなものに心当たりなどは…？」

富岡茂松「４階の教室にあるのは彼がつけるハーネス型の命綱くらいっすな」

吠木曜太「教室内の撮影が終了して後は犯人が４階から落ちるところを校庭から狙うショットのみでした。犯人役の彼には先に４階へ上がってもらって」

吠木曜太「カメラポジションが決まったら僕も上に行くはずだったのです。そしたら徳園さんが」

高木刑事「事故の線はもうありませんか？徳園さんが命綱でふざけていてそれで誤って落ちたとか」

神明奈々子「さすがに大事なスマホを探していてそれはないんじゃないかしら…まぁ確かにあの人はそういう悪ふざけや子供みたいないたずらをよく仕掛けてたけど…英香ちゃんも何度か悪戯されてたわよね」

油井英香「あ…はい…びっくり箱の類やブーブークッションなんてしょっちゅうでした」

尾取大策「血が出る石鹸なんてのもありましたぜ。あれは強烈だった」

尾取大策「なんせそれをやられたADがマジて死んじまいそうな悲鳴をあげて、スタジオにいたスタッフ全員がADのいた洗面場に集合したくらいですからね」

尾取大策「まぁ…そのADはその後マジで死んじまったけど…」

高木刑事「その悪戯グッズで…ですか？」

神明奈々子「ロケ現場に行く途中で車で事故ったのよ」

目暮警部「ほぉ～しかしその悪戯のせいで徳園さんを恨んでいたスタッフもいたのでは？」

吠木曜太「はい…それでやめていたADも…」

油井英香「そのことで揉めて降板した役者さんもいたとか…」

富岡茂松「まぁ徳園ちゃん本人は現場を和ませるつもりだったみたいで悪気はなかったようなんすけどね」

尾取大策「揉めてたっていえばあの犯人役の兄さんも徳園さんが落ちる前に揉めてましたね。なんか彼女バカにされたみたいで」

目暮警部「とにかくその４階の教室に行ってみますか？京極君、それに監督と助監督にも来てもらいましょうか？他のスタッフはここで待機してるように」

目暮警部「これが先の話の命綱ですな」

高木刑事「特別変わったものには見えませんね」　

目暮警部「では被害者のスマホで最後にかけた電話を鳴らしてください」

🔊ピピピピ
目暮警部「うん？あんな所に！！」

コナン「あれれ？」

コナン「おかしいよね？だってこんなところにスマホを置き忘れる人なんていないもん」

目暮警部「こ…コナン君？」

世良真純「だけど…見つけた後なにかの弾みでそこに落としたって場合もあるんじゃないか？」

コナン「でもほら、このスマホどこにも傷がついてないよ」

世良真純「つまり落としたとか投げたとかじゃなくそこに丁寧に置いたってことか…徳園さんじゃない誰かが…」

コナン「そうだね」

目暮警部「何だね！君達！勝手に！！」

高木刑事「世良さんまで」

世良真純「だってほら、僕達探偵だし」

コナン「へへ」

目暮警部「ったく！もう！」

目暮警部「仕掛けはもちろんだが…誰がスマホを置いたのか」

京極真「徳園さんが教室に来て自分のスマホに電話をすると言った後、すぐに呼び出し音が聞こえました」

京極真「音は始めから窓の方で鳴っていたと思います」

高木刑事「だとするとスマホが置かれたタイミングは絞れそうですね」

目暮警部「ふん～教室に入ったのは他に誰かいますか？」

富岡茂松「それは全員ですわ。撮影はまず教室内での格闘シーンから回したんで、撮影スタッフはカメラ、照明、メイクも含めて全員この場におったはずです」

尾取大策「その後犯人落下シーンを外から撮るためここは撤収しました。機材の運び出しなど慌ただしかったですな～」

目暮警部「するとそのどさくさにスマホになにかを仕掛けて窓の外に置くことは誰にでも出来たわけか…」

世良真純「ああ。ボク達も見学でここにいたから。外から窓を見てる人もいなかった」

目暮警部「誰が最後に教室を出たか聞いた方がよさそうだな」

高木刑事「ですね」
尾取大策「ん？」

高木刑事「あっ！鑑識さんが調べるまで勝手にモノを拾わないでくださいね」

尾取大策「あ…いや…ちょっと靴紐がほどけて…」

神明奈々子「はぁ？４階の部屋から最後に出た人？そんなの覚えてるわけないでしょう！」

吠木曜太「あの後昼食休憩が入って各自ロケ弁食べてました」

油井英香「30分くらいですけど…」

高木刑事「こうしてみると４階は下から死角になることもありますね」

目暮警部「つまり、休憩時間にこっそり４階に戻って仕掛けを置くことも可能ということか」

尾取大策「そういや神明ちゃん、さっき妙に息を切らしてましたな」

神明奈々子「それはアクションシーンがあったから！」

尾取大策「撮影後30分も休憩があったのにね～まぁその時４階に駆け上がってたんなら辻褄は合いますな～」

神明奈々子「久々のアクションでなまってたし！最近息切れしやすいの！！」

尾取大策「確か…急に自分でやると言い出したんでしたな？」

高木刑事「とにかく撮影後休憩をはさんで徳園さん達が４階に戻るまでの間に誰かがスマホの仕掛けをおいた」

高木刑事「もしかすると、仕掛けの回収のためそのまま近くに潜んでたかもしれません。その頃姿が見えなかった人などは」

富岡茂松「本番迫ってんのに誰かが消えたらさすがにわかるよ。念のためカメラの映像見てみる？」

目暮警部「監督さんがいないようですが」

富岡茂松「アングル決めるためにカメラ覗いてたんだよ」


尾取大策「あははははは！！」

尾取大策「あっ…すいません。こんな時思い出し笑いは不謹慎でしたわ」

尾取大策「犯人みーっけ」