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FRIEREN | |||
原作(Original Story): 山田鐘人×アベツカサ![]() 葬送のフリーレン 第144話 | |||
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葬送のフリーレン 第144話 | |||
サブタイトル | 予知夢 | ||
配信日 | 2025年9月3日 | ||
サンデー | 2025年40号 | ||
単行本 | 15巻 | ||
扉絵 | ゼーリエ | ||
帝国編 登場人物 | |||
フリーレン一行 | 大陸魔法協会 | 魔導特務隊 | 影なる戦士 |
フリーレン フェルン シュタルク ザイン | ゼーリエ ゼンゼ ファルシュ ユーベル ラント リネアール | フラーゼ カノーネ ノイ ヴェーク ラーガー グラウ | レーヴェ 爺 クレマティス ヴァルロス シュリット ヴォルフ ロレ ガゼレ イーリス ルティーネ クライス |
第144話 予知夢『眼差しで牽制する舞踏会。戦いは水面下で進行する』 ゼンゼ「今のところ魔導特務隊に動きはありません」 ゼーリエ「漁夫の利を狙っているな。あれだけの手練れを揃えておきながら、ここまで慎重だと最早臆病だな」 ゼンゼ「その臆病さが、帝国の魔法使いの恐ろしさです」 ゼーリエ「そういえばゼンゼは、魔導特務隊と戦うのは初めてじゃなかったな」 ゼンゼ「あのときは一級魔法使い3人が殺されました」 ゼーリエ「魔導特務隊隊長のフラーゼか。…もう少し検証する時間があれば良かったんだがな」 ゼンゼ「皇帝陛下との御目通りは叶うと思いますか?」 ゼーリエ「例えこちらが望まなくても勝手に来るだろうな。あの男は用心深く抜け目のない合理主義者だが、それだけに対面の重要性を理解している。恐らくこちらよりも多くの従者を連れてくるだろうさ」 ゼンゼ「お会いしたことがあるんですか?」 ゼーリエ「予知夢の中で一度な。だがその内容を話すつもりはない」 ゼンゼ「それは何故?」 ゼーリエ「賭けにでたからだ。勝とうが負けようがお前は私を責めるだろうな」 『夢の中』 ゼーリエ《眠れないのか?》 皇帝《まったく、フラーゼは何を考えてする。このような侵入を許すとは。大陸魔法協会のゼーリエか。どうせ明日の舞踏会で会うのだ。急くような用もなかろう》 ゼーリエ《いや、私にはもう時間がない。話がある》 皇帝《歩きながらでもいいか》 ゼーリエ《構わない。水をさすような真似さえしなければな》 皇帝《それは確約できんな。余にその意思がなくとも、フラーゼが黙っていないだろう》 ゼーリエ《フラーゼは来ない》 皇帝《…そうか。殺したのか。だとしたら殺し方次第だな。彼女にとっては、死でさえ時間稼ぎにしかならない》 ゼーリエ《そのようだな。こうして陛下と謁見する時間を稼ぐので手一杯だったよ。実に楽しい戦いだった。それに聞かれたって構わんさ。“ここ”ではな》 皇帝《ここ?まさか…そうか。ここは夢の中なんだな。だからこそ手荒な真似もできたというわけか》 ゼーリエ《何故わかる?》 皇帝《これは夢かどうか判別するための魔導具だ。夢の中だとこうして火の色が変わる。そして黒ということは、これは余の夢ではないな。其方のか》 ゼーリエ《そうだ。ここにいるお前は私の見ている夢が作り上げた、登場人物の一人に過ぎない。しかし懐かしいものだな。何かと思えばフランメのくだらん収集品か。予知夢でもそうなるんだな》 皇帝《予知夢…神話の時代の魔法、未来視の一種だな。まさか実在するとは》 ゼーリエ《未来視?そんな大層なものじゃない。この魔法は…いや、説明する必要はないか。未来視という認識で構わん》 皇帝《ではこの場での出会いは、実際に未来で起きるということか?》 ゼーリエ《数ある未来の一つだ。私は今回そういう選択をした。それだけのことだ。だが無駄話だったようだな。まさか夢の中の住人に気付かれるとは、こんな欠点もあるんだな。これはもう未来の予測としての意味を成さない。最後の機会だったのだが、残念だ》 皇帝《待て。もし良ければ無駄足ついでに、余と何を話すつもりだったのか教えてくれぬか。其方の言動はまるで試行錯誤を続けているように見える。これは何度目の選択だ?この先の未来に何が起こる?》 ゼーリエ《それを知ってどうする?》 皇帝《余の権限の及ばぬところで、大魔法使いゼーリエ暗殺計画が動いてる。正直その結末が最善の結果に繋がるとは思えん。帝国の繁栄、いや、穏やかな衰退のためにも、それを止めたい。話し合おう。互いに利があるはずだ》 ゼーリエ《私がここでお前から情報を持ち帰れば、暗殺計画の阻止に繋がり、現実の帝国にも利があるということか》 皇帝《悪くない話だろう。まずは其方の置かれている状況を教えてくれ》 ゼーリエ《だから何故知る必要がある?教えるのはそちらだ、陛下》 皇帝《ゼーリエ、情報を渡すとしても其方の状況がわからなければ》 ゼーリエ《違うな。それだけじゃない。お前も情報を持ち帰ろうとしている。とんだ食わせ者だ。自我があるな。実際に私とお前の夢が繋がっている》 皇帝《余の身体には宮廷魔法の粋を集めた精神防御機構が備えられている。帝国千年の魔法技術の集大成だ。その原理は最早術者である余にすら、理解の及ばぬ領域になっている。恐らくこの状況もまた防御機構の一つなのだろう。予知夢という仮想世界かの皇帝が余の知り得ぬところで勝手に情報を漏らせば、帝国の存亡に関わる。きっと余は、其方に渡す情報を選別するために、ここにいるのだろうな》 ゼーリエ《随分と素直に、白状するじゃないか》 皇帝《余はこれでも皇帝だ。この交渉が決裂すれば帝国が滅ぶことくらいわかる。だから》 ゼーリエ《いいだろう陛下、信じるに値する。情報交換に応じよう》 皇帝《何故だ。余はまだ説得の途中のつもりなのだが》 ゼーリエ《お前は暗殺計画が失敗に終わると考えている。だからこうして守りに入った。これは計画に関与している人間の考え方じゃない。あまりにも的外れな予想だからな》 皇帝《…ゼーリエ、もう一度聞く。この先の未来に何が起こる?》 ゼーリエ《知らない。私はその前に死ぬからな。誰にどうやって殺されたのか、その死後に何が起こるのか、結局私の視点ではわからなかった》 ゼーリエ《だがこうして陛下と会えたのは、僥倖だ。現実世界じゃとてもじゃないが、邪魔立てなしに話せる機会などない。これで私の死後の計画が立てられる。馬鹿弟子共はどの選択でも、私の死を前提とした計画は否定するからな。ようやく建設的な話ができる。陛下にとっても悪くない話だ。帝国と大陸魔法協会、互いの利益を追及しようじゃないか》 『千年続く帝国の歴史。魔法使いの未来。滅びゆくことを想像する二人が手を結ぶ。次号休載。第42号につづく』 | |||
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